冬の食中毒…“トイレでスマホ”に注意【キキコミ】
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トイレの中でも、スマートフォンをつい触ってしまう…。
そんな人もいると思いますが、実はこれが、あるウイルスに感染するリスクを高めてしまうというのです。
それが、つらい吐き気や嘔吐、下痢などをもたらす「ノロウイルス」です。
一年を通して注意が必要ですが、特にこの冬の時期、患者が増えるといいます。
2月に入ってからも各地で報告が相次いでいまして、2月17日も、和歌山県の旅館で飲食した46人が腹痛や嘔吐などを訴え、一部からノロウイルスが検出されたケースが発表されました。
なぜ、いま多発しているのか?さらに、ノロウイルスとスマホの関係は?専門家にうかがいました。
感染制御学が専門の、東邦大学・小林寅喆教授です。
○櫻井
「食中毒というと、夏のイメージがありますけども、なぜ冬に患者が集中しているのでしょうか?」
○東邦大学(感染制御学)小林寅喆教授
「寒い時期、温度が低いほど(ノロウイルスが)活性を維持できる時間が長いと。冬場だいたい11月くらいから2月3月に向けて流行するような感染症ですので、実際に流行期に入っていると考えていいと思います」
○櫻井
「重症化するリスクもありますか?」
○東邦大学(感染制御学)小林寅喆教授
「いわゆる脱水(症状)になってしまうと、もしくは高齢者で物を詰まらせてしまうと、誤えん性肺炎とか副次的な要因で重症化するケースが報告されているので、高齢者、特にまた小さな子どもたちは、注意が必要になります」
そして小林教授に聞いたのは、ノロウイルスとスマートフォンの関係です。
○東邦大学(感染制御学)小林寅喆教授
「スマートフォンを触る頻度が非常に高いということですね。そうした場合、たとえばトイレにスマートフォンを持ち込んで触った場合に、そこのトイレがノロウイルスで汚染されていたら、スマートフォンにくっつけて持ち出してしまうと。手洗いした後のスマートフォンでも(触るとノロウイルスが)すぐ手にくっついてしまうと」
○櫻井
「スマートフォンにウイルスが付着して、そのあとに触った手にウイルスがついている可能性があるので、気をつけたほうがいいと?」
○東邦大学(感染制御学)小林寅喆教授
「そうです。その通りです。食事をするときは手洗いをすることが基本ですので、そういう(ノロウイルス感染が多く発生する)時期は、スマートフォンを持ちながら食事をするのは避けるべきですし、パンとかおにぎりを手で触るときは、手は石けんできれいな状態になっているのを前提にしたほうがいいと思います」
○藤井
「スマートフォンにもウイルスがついている可能性があるから、そこから手にうつって口に入らないようにするということが大切だというのがよくわかりましたけれども、なにか対策はあるのですか?」
○櫻井
「私たちにできる予防法は「加熱」と「手洗い」です。汚染された二枚貝による食中毒は、生や加熱不足のもので発生しているので、たとえば中心部が85℃から90℃で90秒以上、十分に加熱することが推奨されています」
「そして手洗い。一般的に石けん自体には、ウイルスを死滅させる効果はないのですが、石けんを泡立てて手の隅々まで洗うことで付着したノロウイルスを浮かせて洗い流すことが最も有効な予防法です」
「トイレに行った後や食事の前は手を洗う、食事中はなるべくスマホを触らない、を心がけましょう」
(2月17日放送『news zero』より)