“誹謗中傷”リスク防ぐには? 新教材で「考える」【キキコミ】
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この書き込み、「ネットで発信しても大丈夫」でしょうか?
【サッカー日本代表の試合を見ながら、「シュート外しすぎだろ」】と発信する
①家族へのメッセージ
②親友へのメッセージ
③仲が良い友だちへのグループメッセージ
④誰でも見られる匿名の掲示板
「大丈夫だろう」なら○、「悩む・条件付き」なら△、「マズいだろう」と思ったら×でお答えください。
○藤井
まずサッカーってそんなに点が入りませんからね。「シュート外しすぎだろう」っていうのは、家族の中だけならいいですけれども、親友へのメッセージ以降は外にこのメッセージが流れたときに誤解されるんじゃないかなという懸念があるので、「家族」以外はバツですね。
○櫻井
「家族」と他では大きく分かれる。
ではこれが【友だちが水着になっている写真を顔がわからないようにして】発信する、ならどうでしょうか?
実はこちら、2月10日から公開された「誹謗中傷」などの、「リスクの見積もり方を考える」という教材の一部なんですが、中学生たちはどう考えたのでしょうか?
『2月4日 LINEみらい財団×常葉大学“SNSの誹謗中傷リスク”出張授業』
新宿区立西新宿中学校で行われた「情報モラル」の特別授業。
さきほどの教材を使って、生徒たちがそれぞれの考えを話し合います。
○中学生
「『シュート外しすぎだろ』と発信するのは、親友がサッカー好きとかだったら、僕は送るべきじゃないと思います」
○中学生
「水着とかの写真は匿名の掲示板は、さすがに場所とか分かったら怖いので、出さない方がいいんじゃないかなと思います」
○中学生
「相手が仲良くても、色んなところに公開してしまうような人だったら、そこは人を選んで送ろうと思います」
○藤井
ですから、確実な正解があるわけではないけれども、こういうことをしっかり考えることが大切なんですかね。
○櫻井
色々な意見が出ていましたね。
教材では、他にも【芸能人のSNSの写真に「写真加工しすぎだろ」】といった投稿をしても大丈夫かどうか、などもあり…「これといった正解」は藤井さんの言ったように、ありませんよね。
実は、そこが「大事なポイント」だということで、この教材の開発に携わった常葉大学の酒井准教授に伺いました。
○櫻井
「全体を通して、あれはダメ、これは安全というような形にはなっていないと思いますが?」
○常葉大学・酒井郷平准教授
「ネットのコミュニケーションの正解は、なかなかこれだというものは絞れないので、まずはその中で考え続ける必要性ですとか、そのなかで自分が考えた経験が、これからのSNSの使い方にも生きてくるのかなというふうに考えています」
○櫻井
「今回、一番のポイントとしては、どのような所において作った?」
○常葉大学・酒井郷平准教授
「どうしてもネットは危険なもの、怖いものという印象があると思いますが、その危険性をゼロにすることはこれから難しいと思っています」
○櫻井
「完全に切り離す、遠ざけるのではなくて、どのように付き合っていくかが今後重要になっていくということですね?」
○常葉大学・酒井郷平准教授
「SNSを使わない、スマートフォンを使わないというのは難しいと思いますので、それらと上手に付き合っていく子どもたち、付き合っていける人というのを育てていくことは1つのポイントだと思っています」
「“誹謗中傷しない”ということはかなり色々な人たちがわかっていると思います。その中で表現の仕方や、自分の思い、考え方の伝え方を間違ってしまうと、誹謗中傷になりうる」
○櫻井
「本人としては『誹謗中傷のつもりはなかった』『ほんのちょっとした“いじり”のつもりだった』というものが、結果として受け手の印象としては誹謗中傷で、大きく傷つけることになってしまう、ということをなるべく防いでいこうということですよね」
○常葉大学・酒井郷平准教授
「そうですね、そこはすごく重要な視点かと思います」
酒井さんらが開発した教材は、「加害者」だけでなく「被害者」そして、「周囲の人」たちからの視点で誹謗中傷などのリスクを考える内容になっています。
○中学生
「(文章を)入力したら、一度見返すということはやはりしていくべきかな。口調とかしっかり見直した方が、より相手に良いふうに受け取ってもらえるかなと思います」
○櫻井
酒井准教授は、「子どもたちを通じて、大人も学ぶことができる。誹謗中傷を考えるコミュニケーションのきっかけにしてほしい」とおっしゃっていました。
(2月10日放送『news zero』より)