進化する冷凍食品 常識覆す「冷やし中華」も登場 レンジにかけても…
自炊疲れの強い味方、冷凍食品がますます進化しています。とんかつなどを提供する飲食店も冷凍食品の販売をはじめ、サクサク食感を実現しています。さらに常識を覆す商品まで、出てきています。
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神奈川・横浜市のクイーンズ伊勢丹港南台バーズ店にずらっと並んでいたのは冷凍食品です。定番商品だけでなく、1袋2000円以上するハンバーグなど豊富に取りそろえられています。
クイーンズ伊勢丹港南台バーズ店 石原美さと店次長
「(冷凍食品に)こだわりを求めるお客様が多くいらっしゃり、1000円以上のものもよく動く」
冷凍食品は、コロナ禍の自炊疲れの強い味方となっていました。この店では食料品の売り上げの2割を占めているといいます。
冷凍スープを購入
「電子レンジで簡単に調理できる。調理にかける時間を減らすようにしているので」
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進化を続ける冷凍食品。飲食店も冷凍食品の販売に乗り出しています。
揚げたてサクサクのとんかつがお手頃価格で食べられる「かつや」。今月20日から販売するのが、その名も「全力ロースカツ」。なにが、全力なのでしょうか。
かつや営業部 嶺岸悟部長
「電子レンジで加熱するだけで、すごくサクサクとしたおいしい揚げてある冷凍とんかつを開発しました」
レンジで2分20秒、自宅では油で揚げることなくサクサク衣のとんかつができあがります。食べてみると──
記者
「衣はすごくさっくりとしていて、お肉もジューシーなので揚げたてのようです」
しかし、開発には苦労もあったといいます。
かつや営業部 嶺岸悟部長
「電子レンジで加熱すると衣がはがれてしまったりとか、衣がしなっとしてしまったりとか、サクサク感を表現するのに苦労した点でございまして、何百回と試作試食を重ねて(開発した)」
構想から10年、開発開始から3年以上をかけ、サクサク食感を実現したといいます。自然解凍も可能で、お弁当などにも活用してほしいということです。
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冷凍食品大手、ニチレイフーズは常識を覆す商品を開発しました。それは、冷やし中華です。
電子レンジにかけるので温かい冷やし中華になると思いきや、冷水でしめる手間なしで冷たい冷やし中華が食べられます。その秘密は、氷にありました。
ニチレイフーズ 冷やし中華開発担当者・蟹沢壮平さん
「氷がレンジで溶けにくいという特性を利用して、レンジ調理後も氷が残って、麺と氷をまぜることで冷たく仕上がる。具材は先に温まって、しっかり解凍されるんですけれども、氷がしっかり残る設計になっています」
計画を上回る売り上げを記録していて、製造ラインも新設したということです。
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食卓の主役にもなれる手軽な冷凍食品の活用は、まだまだ広がりそうです。