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アスリートの社会支援 日本財団HEROs

2020年2月19日 16:09
アスリートの社会支援 日本財団HEROs

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「HEROsによる被災地支援活動」。元ハンドボール日本代表キャプテンの東俊介氏に話を聞いた。

現役時代も引退後も、アスリートが社会とつながり活躍できる仕組みを日本でも広げていくために、アスリートの声を集めて始まった活動「日本財団の“HEROs”」。パラスポーツの運動会や、少年院生に対する更生支援、被災地支援など、さまざまな社会活動が行われています。

被災地支援については、HEROsアンバサダーや賛同者のアスリートが、西日本豪雨で被災した広島県や、台風で被災した栃木県鹿沼市などを訪れ、視察と支援活動を行いました。

ネット上では

「スポーツ選手である前に人間として尊敬」
「こういう活動が少しでも広がるといい」
「アスリートの言葉は子どもに響くものがある」

などのような意見がありました。この話題について東さんのご意見をうかがいます。


――まずはフリップをお願いします。

「寄り添う」と書きました。

被災地支援と、“支援”という言葉にはなっているのですが、僕たちがやっていることは上から支援するという感じではなく、被災地が今どういう状況なのかを知るとか、あとはなかなか消せない嫌な思い出やつらい思い出を、楽しい思い出で上書きして、楽しい思い出を増やしていくことです。

例えば中田英寿さんと被災地を視察したり、井上康生さんと餅つきをしたりといった楽しい思い出を増やしていく。そして、知って仲良くなって仲間になって、思いやって“寄り添う”ことが大事ということで書かせていただきました。

――お餅つきとかもされたのですか。

そうですね。

――子どもたちの声はいかがでしたか。

本当に楽しそうに、井上康生さんと子どもが一緒に、同じ臼ときねを使ってお餅をつきました。できたてのものを一緒に食べたりするのは本当に楽しかったですね。

――私も広島の被災地に伺ったことがあって、やっぱり体が動かせないのが一番つらいという声を聞きました。なので、みんなでスポーツをするというのは、本当に皆さん喜ばれましたよね。

はい。みんなそれぞれのスポーツを指導するのですが、子どもたちが笑顔になると親御さんも笑顔になりました。笑顔を作るということがとっても大事だなと。

ハンドボールをやったことがない子たちに、ハンドボールを教えたり、ハンドボールだけではなくて元サッカー日本代表の巻誠一郎さんがサッカーを教えたり、柔術を教えたり、あとバドミントンを教えたり、水泳の人たちが話をしたりといろいろなアスリートがいろいろな競技を体験してもらう活動をしました。

――子どもたちは、これをきっかけに何かスポーツ選手になりたいという気持ちも芽生えたりするのでしょうか。

そうですね。なかなかトップアスリートと直接接することがないと思うので、そういう経験を通じてなりたいと思ってくれればいいですし、何より楽しくやってくれるのが一番よかったかなと思います。

――つらいことを乗り越えるのに楽しい思い出ができて、すごくみなさんいい思い出になったかと思います。

みんなのことを(アスリートが)知ってくれていると思ってもらうことが一番大事かなと思います。

■東俊介氏プロフィル
元ハンドボール日本代表キャプテン。現在はスポーツ事業を中心に複数の会社で活動。実業団時代は9度の日本一に輝き、アテネ五輪アジア予選など数々の国際大会に出場した。現役引退後はスポーツマネジメントを学び、日本ハンドボールリーグのマーケティング部新設に尽力。初代部長に就任。また、アスリートのライフキャリアを支援するため、スポーツとビジネスをつなぐ交流会なども行う。

【the SOCIAL opinionsより】