“統一教会”2世「自由恋愛は最大の禁忌」「3日断食」――“宗教虐待”周知へ署名活動「宗教2世を助けてください」
両親が“統一教会”信者という高橋みゆきさん(仮名・20代)は、自由恋愛を禁じられ、断食も経験しました。2世の「宗教虐待」を知ってもらおうと署名活動をしています。一方、参院選直前に、教団の友好団体が選挙応援を希望するか候補予定者にアンケートしていたことが分かりました。
■教団2世「大きな制約を受けてきた」
両親が、いわゆる“統一教会”の信者だという高橋さん。16日夜、話を聞きました。
「私が生まれた時には、既に両親は高額な献金をあらかた済ませてしまっていたので、生まれた時からずっと貧乏生活」「望んでいないのに信仰生活とか、信仰を強要されたりとか、自由恋愛ができないとか、大きな制約を受けながら生きてきました」
許されなかった1つが恋愛です。
「自由恋愛というものがご法度。犯してはいけない最大の禁忌。それをやってしまうと何が起こるかというと、基本的には地獄に行くと教えられています」
「お付き合いをすることができた相手がいた時もあったんですけど、親にバレてしまって、無理やり別れさせられる。私にとって非常につらかった経験ですね」
断食も経験しました。「“統一教会”の中で断食という試練が与えられます。3日断食とか、事あるごとに、自分の罪の清算のために何日間かご飯を抜きなさいっていう…」と高橋さんは振り返ります。
■宗教2世の問題を発信…4万筆の署名
高橋さんは、“統一教会”をはじめとする宗教2世の問題を知ってもらい、解決するため行動に出ました。「宗教2世を助けてください。宗教2世に信教の自由を、と署名活動をしています」。オンラインで署名を募り、この1か月で約4万人から集まりました。
高橋さん
「虐待の定義に、『宗教虐待』の概念を追加してください、というのがやりたいことです。宗教組織による子どもの虐待問題が、今世の中でたくさん起きているんだよということを一般の方々に知っていただくことが、この署名の目的です」
「宗教虐待の問題って、周りの人には誰にも相談できません。『偏見を持たれるんじゃないか』と本当に苦しんでいます」
宗教2世の子どもには解決できない問題だとした上で、高橋さんは「この署名を持って、実際に政治家の方とか、解決のためのお力添えをいただきたいということで、広く訴えていこうかなと思っています」と言います。
■副大臣が出席の会合で…「アンケート」
一方で、次々と明らかになっているのが政治家と教団の関係です。
山田美樹環境副大臣は15日の会見で「今年の6月13日に開催された、日本・世界平和議員連合懇談会総会につきまして、冒頭のみ出席をいたしました」と述べました。
出席したというのは、教団関係者が顧問を務める会合です。去年6月には、多くの自民党関係者が顔をそろえていました。
日本テレビは、山田環境副大臣が出席したという、参議院選挙が行われる直前の今年6月に行われた会合の資料を入手しました。
そこには「次期参議院選挙の地方区で、世界平和連合の応援を希望する議員がおられればお書きください」と、教団友好団体からの参院選での応援を希望するかどうか、アンケートが取られていました。
自ら希望して選挙で支援を受けて当選した議員はいたのでしょうか?
山田副大臣は「今後は当該団体と一切関係を持たない」としています。
(8月16日『news zero』より)