硫黄島の戦いから80年 元島民ら「島への居住」求め要望書
太平洋戦争末期に、日米で激しい地上戦となった硫黄島の戦いが始まって19日で80年となります。開戦前に強制疎開を余儀なくされた元島民らでつくる団体は、現在、認められていない島への居住を認めるよう国に要望書を提出しました。
硫黄島では1945年2月から3月にかけ、日米の激しい地上戦が行われ、旧日本軍は2万2000人近い犠牲を出し玉砕しました。戦前、硫黄島には1000人を超える島民が暮らしていましたが、開戦前に強制疎開を命じられ、戦後の1968年に島がアメリカから返還された後も、日本政府は自衛隊を常駐させる一方で、火山活動などを理由に元島民の帰島を認めていません。
元島民らでつくる「硫黄島帰島促進協議会」は19日、元島民や子孫の島への定住を認めるよう、中野国交相あての要望書を提出しました。要望書では、島での生活を可能とするインフラや交通手段の整備などを国に求めています。
硫黄島帰島促進協議会・麻生憲司会長
「段階的に長期間、1か月でも2か月でも滞在できるような方向から、居住を目指していきたいと思う」
また、協議会は島に残る戦没者の遺骨収集を早期に進めるよう、あらためて訴えています。