横田早紀江さん「気持ちの整理がつかない」
北朝鮮による拉致被害者・横田めぐみさんの父親の横田滋さんが、5日午後、老衰のため亡くなりました。87歳でした。
横田滋さんの妻、早紀江さんと息子の拓也さん、哲也さんはさきほどコメントを出し、滋さんが5日午後2時57分に老衰のため亡くなったことを明らかにしました。
早紀江さんらは「北朝鮮に拉致されためぐみを取り戻すために主人と二人で頑張ってきましたが、主人はめぐみに会えることなく力尽き、今は気持ちの整理がつかない状態です」と気持ちを綴っています。
横田めぐみさんは13歳だった1977年11月15日、北朝鮮の工作員に拉致されました。20年後の1997年、脱北した元工作員の証言で「めぐみさんが北朝鮮に拉致された」とわかったのをきっかけに、拉致被害者家族会が結成され、滋さんは初代代表に就任しました。
北朝鮮は2002年、めぐみさんを拉致したことは認めたものの、「すでに死亡した」と説明。しかし、その説明にはウソがあることが次々と明らかになっています。
滋さんはめぐみさんの生存を信じて20年以上にわたり救出活動を続けてきましたが、5日に帰らぬ人となりました。
拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表は、「横田滋さんとは、救出活動を長年、ともにしてきました。本当に残念です。拉致問題はなんの進展もなく、何も動かなければこうなることは目に見えていました。これからどうするのか、政府にはきちんと考えてもらいたいです」とコメントしています。