“廃炉の本丸”デブリ取り出しへ前進 福島第一原発、原子炉格納容器につながる穴の堆積物除去完了
東京電力福島第一原発事故で溶け落ちた核燃料「燃料デブリ」を取り出すために使用する格納容器に開いた作業用の穴「X6ペネ」。デブリ取り出しの唯一のルートであるX6ペネの中に詰まり、取り出し作業を阻んでいた堆積物の除去が13日、完了しました。
福島第一原発では、強い放射線を出す燃料デブリを格納容器から取り出し、安全に保管することが“廃炉の本丸”とされています。
デブリの取り出しは2号機から始まる予定ですが、原子炉圧力容器の下で溶け落ち、冷え固まったデブリにアクセスできる唯一の貫通孔、X6ペネには正体不明の大量の堆積物が詰まっていて、デブリの取り出し作業を阻んでいました。
東京電力は今年1月から高圧の水を噴射するなどし、この堆積物の除去作業を進めてきましたが、作業開始から4か月たった今月13日、ついに堆積物の除去が完了したと発表しました。
今後「テレスコ式」と呼ばれる釣り竿状の装置をX6ペネから挿入し、少量ずつデブリを取り出す計画です。装置の製作や作業者の訓練などを経て、今年10月には取り出しを始めるとしています。
福島第一原発には、およそ880トンの燃料デブリがあると推定されています。