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豪雨 その時何が…備えた球磨村、襲った水

2020年7月26日 10:41
豪雨 その時何が…備えた球磨村、襲った水

日テレNEWS24「シリーズ~災害を考える~」。豪雨災害から1週間が経った熊本県球磨村に、防災行動学が専門で東京大学大学院の客員教授・松尾一郎さんが入りました。

松尾さんは以前から球磨川の流域の防災に深く関わってきました。前もって準備をしてきた中で起きてしまった水害。被災地で松尾さんが見たものは。

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およそ500戸の住宅が被災し、特別養護老人ホーム「千寿園」で入所者が亡くなるなど甚大な被害となった球磨村。向かったのは、災害対策本部です。

松尾さん「頑張った。頑張った」「ごめんね」

球磨村・防災管理官 中渡徹さん「22人死んじゃったのよ」

松尾さん「みんな背負うんだよ、これからさ。俺も背負うんだよ」

職員の人たちは、準備をしていても救えなかった命があったことと向き合いながら、業務を続けていました。

球磨村では以前から洪水被害に備え、毎年のように避難訓練などを重ねてきていました。また、松尾さんは長い間、球磨村でタイムラインの作成や住民を交えた防災会議などを重ねていたのです。

それでも、水は想像を絶するスピードで村を襲ったといいます。

球磨村消防団 松野三千夫団長「今回の豪雨は思いもよらない雨の量」

球磨村消防団 小崎一郎副団長「訓練はやっていたんですけれど、水量がですね、いつもとは違うような水かさの上がり方で、まさかあの堤防が決壊したり。家が流れていく、人が流れていくのを何度も見たんですよ」「頑張っていたんですけれど、どうしても、見てる前で『ごめんね』と言って亡くなられたという方も何人かおられた」

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一方で、タイムラインを作ったことが支援につながっていました。

松尾さん「球磨村、三重県紀宝町、高知県大豊町の防災関係者の皆さんが集まっています」

水害タイムラインの協定を結んでいた三重県紀宝町と高知県大豊町から、応援の職員が駆けつけたのです。

9年前、水害の経験がある紀宝町。991世帯の住宅が被災し、1人が死亡、1人は今も行方不明です。

球磨村・防災管理官 中渡徹さん「家の周りのごみや流木、これに一番困っている」

紀宝町・危機管理監 新元明生さん「(集積場所を)村内でも何か所か作らないとダメだと思う。1か所にすると渋滞する」

さっそく球磨村にアドバイスをします。

さらに紀宝町は、給水車も持ってきて活動を始めています。

紀宝町役場 辻和妥さん「水が足りない地域に対して、一刻も早く届けたい思いで活動している。住民への支援や情報収集をしているので、情報共有をしていこうと思っている」

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100人余りの職員のうち、4割が自らも被災している球磨村。中には肉親を失いながらも業務にあたっている人もいます。

球磨村・防災管理官 中渡徹さん「村民の皆さんも今被災している人、いろんなことで苦労しています。一緒ですので、我々も受け止めながら、村民の皆さんの苦しみも受け止めながら、一緒になって前に進んでいきます」

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松尾さん「災害の規模は、行政機関の対応を考えたときに、雨と河川の氾濫と人的被害、あまりにも被害規模が大きかったことが改めて分かりました。災害をどう振り返るか、検証しないといけない。私の宿題だと思っています。人生の宿題です」

松尾さん「雨の降り方は変わっています。球磨川で起こったことは、必ず他の地域に起こります。対岸の火事とせず、わが身と考えた対策・対応をしてほしい」