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AIで津波の浸水を瞬時に予測 東日本大震災の教訓生かし「南海トラフ地震」での活用に期待

2022年3月11日 19:21
AIで津波の浸水を瞬時に予測 東日本大震災の教訓生かし「南海トラフ地震」での活用に期待

■AIで津波を予測する最新技術とは?

富士通が新たに開発したのは、AIを使った最新の津波予測システム。津波が実際に起きたとき、沖合で最初に観測された津波の波形をもとに、AIが瞬時に陸への浸水範囲を予測するという。システムが開発されたきっかけは11年前の東日本大震災。内閣府によると、この地震で亡くなった人の9割以上が溺死だったことがこれまでの調査でわかっている。

あの日、津波が来ないと考えられていた場所でも大きな被害があった。その一つが仙台平野だ。震災当時の浸水想定エリアは内陸へ1キロ程度。しかし津波はそのはるか内陸まで押し寄せた。

そもそも津波による浸水範囲は、地形に加えて津波の高さや波長などによって変わる。たとえば、低い津波が短い波長で押し寄せるとその浸水範囲は小さくなるが、同じ高さの津波でも波長が長いと浸水範囲は大きくなる。こうした津波の高さや波長などを「波形」という。

富士通が開発したシステムは様々な津波の発生場所を想定して津波の波形がどう変わるのか、その波形によってどこまで浸水するかをスーパーコンピュータ「富岳」で数万通りにわたってシミュレーション。その結果をAIに学習させておくことで、実際に津波が起きたとき沖合で最初に津波をとらえると、その波形をもとにAIがわずか数秒で陸に到達するまでの波形を計算。浸水範囲を高い精度で予測するという仕組みだ。

仙台平野を襲った津波について、沖合で観測されたときの波形をもとに浸水範囲をシミュレーションすると、AIによる予測と実際の浸水範囲はほぼ正確に一致したことがわかった。

■南海トラフ巨大地震でも活用が期待

このシステムの活用が期待されるのが南海トラフ巨大地震。そのとき、津波によってどこまで浸水するのか神奈川県川崎市でシミュレーションした。その結果、津波は地震発生から80分後、東京湾に面した首都高速沿いのエリアから市街地の奥まで浸水するという予測に。

その川崎市は先月、富士通とともにAI津波予測の実用化に向け実証実験を行った。実験ではシステムを導入したスマホアプリを使って、街のどこまで津波が襲うのか職員らが体験。実験に参加した市の職員は「今の津波ハザードマップは平面の情報しかないため、リアルタイムでどこへ津波が来るのかわかるのはありがたい」と話す。

東日本大震災から11年。今も新たな防災のカタチが模索されている。

※詳しくは動画をご覧ください。(2022年3月11日放送「news every.」より)