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南海トラフ沿いの地震 8月は目立った地震活動なし 引き続き地震への備えを

2023年9月7日 20:01
南海トラフ沿いの地震 8月は目立った地震活動なし 引き続き地震への備えを
気象庁

気象庁は南海トラフで巨大地震発生の可能性を評価する定例の検討会を開き、先月は、巨大地震に影響を与えるような目立った地震活動はなく、「特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。

気象庁は、今後30年以内の発生確率が70%から80%とされる南海トラフ巨大地震について、専門家による定例の評価検討会を開き、想定震源域で起きた地震や、観測データの分析をおこないました。

気象庁によりますと、先月1日から今月5日までの期間に南海トラフ巨大地震の想定震源域とその周辺では、マグニチュード3.5以上の地震が7回発生したということです。

このうち、宮崎県の日向灘を震源とする地震が4回あり、いずれも地震の規模を示すマグニチュードは3.5から3.8でした。

また、先月12日には愛知県西部を震源とするマグニチュード3.9の地震、17日には、豊後水道でマグニチュード3.5の地震、25日には三重県南東沖でマグニチュード3.5の地震が起きています。

想定震源域とその周辺で起きた地震(M3.5以上)は7月は2回だったのに対し、先月の回数が7回とやや多くなりましたが、検討会は、地震の規模が小さいことなどから、南海トラフのプレートへ影響はほとんどないとして、「特に目立った地震活動ではない」と評価しました。

一方、静岡県御前崎などで長期的に観測されている地盤の沈降は、フィリピン海プレートの沈み込みに伴うもので、その傾向に大きな変化はないとしています。

検討会は、こうした観測結果を総合的に判断し、南海トラフ周辺で「特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。

評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は、南海トラフ沿いでは依然として、極めて高い確率で地震が起きる状況に変わりはないとして、「引き続き、地震への備えを進めてほしい」と話しています。

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