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観光シーズンピークも「医療非常事態宣言」沖縄の現状は…

2022年7月22日 19:39
観光シーズンピークも「医療非常事態宣言」沖縄の現状は…

新型コロナウイルスの感染が全国最悪の水準で拡大している沖縄県内で、医療のひっ迫が深刻化しています。夏の観光シーズンがピークを迎える中、沖縄県は、観光客にも感染防止のための十分な対策を呼びかけています。

沖縄県内では22日、5000人を超えた前日と前々日よりは少ないものの、過去3番目の多さとなる4654人の新規感染者が確認されました。

22日まで1週間の人口10万人あたりの新規感染者は1830.02人で、全国最悪の感染状況が続いていて、特に観光地として人気の石垣島や宮古島では、沖縄本島を上回る勢いで感染が拡大しています。

感染者の急増で、医療提供体制も危機的な状況となっています。22日の時点で、コロナ病床の使用率は74%となりました。一般病床の使用率も96.8%と高く、コロナ患者も、その他の患者も入院の調整が難しくなっているということです。

豊見城市の友愛医療センターの医師は日本テレビの取材に、「いま沖縄はコロナに対しての医療も、一般の医療もほぼ壊滅的な状態になっていると思う」「かかりつけ医以外の患者は救急車を受け入れできない状況になった」と話しています。

沖縄県は19日、県内全域の医療提供体制を通常時の最高レベルのフェーズ5としましたが、その後も感染拡大が止まらないことから、一般医療を制限する緊急フェーズへの引き上げを視野に入れ始めました。

病床ひっ迫の背景には、医療従事者が感染したり、濃厚接触者になったりして欠勤するケースが増えている状況もあります。コロナ患者を受け入れる重点医療機関での医療従事者の欠勤数は22日、過去最多の1112人となりました。

一部の病院では、救急や外来の受け入れ制限も始まっています。

沖縄県は21日、独自に「医療非常事態」を宣言し、軽症や検査目的での救急外来の受診を控えるよう、県民に呼びかけました。

併せて県は、会食を4人以下で2時間以内とすることや、不要不急の外出をできるだけ控えること、アルコールの提供を伴うイベントは開催時期の変更を検討することなど、県民や事業者への新たな要請を緊急対策として公表しました。

その中で県は、旅行などで沖縄を訪れる人たちにも、
▼来県前の十分な健康観察
▼体調不良時の来県の延期
▼来県前・来県中の基本的な感染対策の徹底
▼来県前にワクチン接種を最新の状態にするか、検査で陰性を確認すること

などを求めました。

また、県内の医療がひっ迫し、体調を崩した際にも受診が困難となっていることから、持病のある人は、旅行中に無理をしないことや薬を多めに持参することも呼びかけています。