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震災時の情報収集 SNSや生成AIが誕生したいま、注意することとは? 関東大震災から100年“朝鮮人が井戸に毒”デマ信じ虐殺も…

2023年6月25日 12:42
震災時の情報収集 SNSや生成AIが誕生したいま、注意することとは? 関東大震災から100年“朝鮮人が井戸に毒”デマ信じ虐殺も…
今年は、関東大震災から100年です。SNSや生成AIが誕生したいま、震災時の情報収集で気を付けることとは―。

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1923年9月1日に発生した関東大震災。発生直後、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言を信じた人々が、多くの朝鮮半島出身者などを虐殺したといわれています。

東京・墨田区で開催されたワークショップでは、残された証言をゆかりの地で読み、手作りの慰霊碑で犠牲者を追悼しました。

参加者
「井戸に毒を入れたとか。避難民が集まれば津波が来るとか言っていた」

主催者・在日コリアン3世 鄭優希さん(28)
「100年前に虐殺が起こったときは、何もくいとめる力がなかったと思う。(朝鮮人虐殺を)かたりやすい問題にして、虐殺や差別が起こらないようになっていってほしい」

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なぜ、朝鮮半島出身者らがターゲットになったのでしょうか。

東洋大学社会学部・メディアコミュニケーション学科 小笠原盛浩教授
「(周囲を見渡したときに)特に大きな事件や危険が差し迫っていないとすると、自分の中にある不安感と、外の現象との間にギャップが生じる。人はそのギャップを埋めようとして、『何か本当は起こっているのではないか』というような推測を働かせることがある」

小笠原教授は、「外国人が犯罪を行っている」「日時を指定して地震を予測する」は、典型的な流言のパターンだとし、「見聞きしても、他人に伝えないことが大事だ」と話します。

さらに―。

小笠原教授
「悪質な場合には、裏付けるような証拠みたいなものを生成AIで作ることも考えられます」

去年の台風15号の水害では、被害を誇張するための偽画像が拡散。今後、AIの機能が高まると、事実の画像との区別が難しくなることが考えられるといいます。

また、「SNS上で、何度も同じ情報を目にすると、それが事実だと誤解しやすくなる」と指摘し、公的機関の情報などと合わせて確認するよう呼びかけています。

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