アメリカとEU（＝ヨーロッパ連合）の経済担当閣僚らの会合が5月31日にスウェーデンで開かれ、生成AIのもたらすリスクの評価作業などについて、協力を進めていくことを確認しました。

「米EU貿易・技術評議会」が31日に発表した共同声明では、「AIは我々の繁栄と公平性を高める機会を提供するが、その機会を得るためには、リスクを軽減する必要がある」として、AIのもたらすリスクに対処するために、アメリカとEUが協力していくことの重要性を確認しています。

また、最近の開発競争を受けて、特に生成AIに「特別な重点を置く」ことが盛り込まれ、新たに3つの専門家グループを立ち上げ、信頼性を測る指標や、AIによるリスクを管理する手法について、協議を進めるとしています。

ブリンケン国務長官は会合後、「特に生成AIへの対応については、強い緊急性を感じている」と述べ、適切な規制のあり方について、早急に各国の認識をすり合わせる必要性を強調しました。

一方、共同声明では中国を念頭に、「非市場的な経済政策が、半導体、特にレガシー半導体の世界的な供給に与える影響について懸念を共有する」との文言が盛り込まれ、半導体供給網の構築などの経済安全保障分野で、米欧が共同歩調を取ることも打ち出されています。