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女性初の「地震津波監視課長」就任 津波警報発表など重責を担うキーマンを直撃

2022年5月6日 22:07
女性初の「地震津波監視課長」就任 津波警報発表など重責を担うキーマンを直撃
鎌谷紀子・地震津波監視課長 2022年4月に新任

まさに24時間365日地震を監視し、津波警報などを出す気象庁の現場トップ「地震津波監視課長」に史上初めて女性が就任しました。地震津波監視課長は、気象庁に近い「危機管理宿舎」で生活し、大きな地震が起きると直ちに駆けつけ休日夜間でも緊急会見を行います。

2022年4月から重責を担う、鎌谷紀子・地震津波監視課長に話を聞きました。

■地震津波防災の最重要ポスト 気象庁「地震津波監視課長」

いつ発生するか予想ができない地震。もし首都直下地震が起きて首都圏の交通機関が麻痺しても、すぐに緊急出勤できるよう歴代の地震津波監視課長は休日も気象庁から遠く離れず都心で過ごしてきました。

特に大きな地震が発生した場合は、緊急の記者会見を開き国民に警戒を呼びかけるのも地震津波監視課長の重要な任務です。

いつその時がくるか分からない為、歴代の地震津波監視課長の中には在任中、オフでも一切飲酒をしない人もいました。

――女性初の地震津波監視課長、辞令を受けた時に感じたことは?

異動の話をもらった時には非常に驚きました。地震津波監視課長というのはとても重責ですし、私なんかができるのかなと思いました。

――周りの方々を取材していると、鎌谷さんだったらいつか絶対と

いえ、とんでもないです(笑)

■津波警報の最終決断者

――就任から1か月、改めて責任の重さについて実感は?

やはり地震や津波を監視するという24時間365日動いている部署を持っている大きな課ですので、とても重責を感じています。

日本に襲来する津波の、どれくらいの予測をするか、予報・警報をどれくらいのレベルで出すかという最終判断は私がすることになりますので、非常に重い責任を感じています。

■都心の危機管理宿舎に単身赴任

――危機管理宿舎での生活は?

住み慣れた自宅を離れて、私の場合は家族とも離れて単身赴任でいるので、非常に寂しいということはあります。

ただ、24時間365日の仕事に対応するということで、非常に仕事にフォーカスできるということでは、後顧の憂いなくできるということでとても良い環境だと思っています。

――ご家族と離れられて…

そうですね、でも子どもは大学生なので、ちょうど親離れするのに良い時期だったかなと思っています(笑)

――就任された時のお子さんの反応は?

とても驚いていましたし、これからかなり頻繁に(会見で)テレビに出るのかということで、驚いていました。

――最近ではトンガで起きた大噴火による津波警報発表や、福島宮城で震度6強の大地震も。大きな災害にどう臨む?

日本の皆さんの命を守るという大きな仕事を任されていますので、監視というのを着実にやっていきたい、あと迅速に情報を出すということをしっかりやっていきたいと思っています。

■日本の地震津波防災の2トップは女性

――男性が多い職場で、課長としての差配の難しさなどは?

気象庁で仕事をしてきて、女性だからというのを感じたことはほとんどないという幸せな経験をさせてもらっているので、女性だから課長はどうだと思ったことは実はないです。

私が持てる能力というのを十分に発揮して、この課を引っ張っていけたらと思っています。

――隣の席にも女性職員が

課長補佐の浦田紀子さんです。非常に優秀で私を支えてくれています。

――日本の地震や津波の防災対応の2トップは、女性が担っている?

はい、お任せください!

――自然科学を学ぶ女性の若い学生も多い

先輩の女性の方々によって非常に道は開かれていますので、皆さんが頑張ってここまでたどり着くという道はできていますので、チャレンジしていただきたいなと思っています。

――そういう後輩に気象庁へ入って来てほしい?

はい、とても気象庁は魅力的な職場ですので、入って来て頂きたいと思います。そういうチャレンジをする女性を、男性の方々もサポートして頂きたいなと思っています。

■ハリセンボンの近藤春菜さん似と話題に

――最後の質問は、無理にお答え頂く必要はありません…。鎌谷さんが以前会見をしている時に、SNS上でハリセンボンの近藤春菜さんにすごい似ていると。今後も話題になるかも知れません。

自分が記者会見をした後というのは、自分のことを検索するというのはなるべくしないようにしていて…。というのは、心が折れて自分の仕事ができなくなるというのはマズいですから、そういうことはないようにしています。

ただ、周囲の人達が、こういうことがSNSで書かれていたよと言って下さることもあって、応援のメッセージだとか、春菜さんに似ていると話題になっていることも聞いてはいます。

そういうことをキッカケにして、気象庁の記者会見というのを御覧になって、自分の命を守るという防災の行動に繋がっていただけたらなと思います。