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【解説】台湾“地震” 今こそ“恩返し” 日本の支援、動き続々… いま私たちにできることは?

2024年4月4日 6:12
【解説】台湾“地震” 今こそ“恩返し” 日本の支援、動き続々… いま私たちにできることは?
これまで日本で大きな災害が起きるたびに、多くの義援金を送ってきてくれた、台湾。
SNSでは「今こそ恩返しをするときだ!」という投稿も相次いでいます。台湾との災害時の支援を通してのつながりについて、日本テレビの小栗泉解説委員長が解説します。

■SNSで投稿相次ぐ「台湾大丈夫」「今こそ恩返しするとき!」

藤井貴彦キャスター
「台湾の地震が報じられてから、日本でも、SNSで『台湾の地震』、『台湾大丈夫』がトレンド入りしました。

そして、『今こそ、恩返しをするときだ!』という投稿も相次いだんですが、小栗さん、この『恩返し』というのは、どういう意味なんでしょうか?」

小栗泉 日本テレビ解説委員長
「はい。といいますのも、これまで台湾は、日本で大きな災害が起きるたびに、多くの義援金を送ってきてくれたんですよね。

■台湾から東日本大震災250億円以上 能登半島地震も迅速な支援

小栗泉 日本テレビ解説委員長
「たとえば、東日本大震災のときには250億円以上。そして、能登半島地震では発生からわずか2週間で、寄付額が民間だけでも25億円以上にのぼったということなんです。

今年1月、台湾総統選挙を取材した際の、台北市の様子を収めた映像を見ると…コンビニエンスストアなど街のいたるところに、能登半島地震の義援金を呼びかけるポスターが貼られていました」

藤井キャスター
「人が多く行き交うコンビニエンスストアでこういった寄付の呼びかけがあるというのは、ありがたいことですよね」

俳優 板垣李光人さん (news zero 水曜パートナー)
「そうですね。東日本大震災のとき僕は小学生だったんですけど、台湾が支援してくださったことっていうのはすごく鮮明に覚えていますし、こうして毎回、日本が大変なときに助けてくださるっていうのは、本当にありがたいなと思います」

藤井キャスター
「こういった恩というのは、なかなか忘れないものですよね」

■義援金の使い道は? 保育所の再建・公営住宅や病院の建設、現金支給にも…

小栗泉 日本テレビ解説委員長
「そうですよね。実際に、寄せられた義援金がどんなことに役立てられたのかといいますと、石川県では、被災した方に現金で支給したそうです。岩手県では保育所の再建や、公営住宅の建設に、宮城県の南三陸町では被災した病院の建設費にあてて、いまなお台湾との交流は続いているということなんです。

南三陸町の担当者の方は『台湾の地震を心配している。お互いに助け合っていくことが必要だと思っている』と話していました」

■熊本からの“恩返し” 民間企業やNGOも寄付呼びかけ 私たちにできることは?

小栗泉 日本テレビ解説委員長
「こうしたなか、さっそく支援に動き出している自治体というのもあるんです。それが、熊本県です。熊本地震のときに、台湾から義援金が送られたということなどもありまして、今回、台湾に寄り添ったどんな支援ができるのか、すでに検討に入ったということです」

藤井キャスター
「熊本はいま話題になっていますけれども、台湾の半導体メーカーも進出しましたし、台湾と熊本空港を結ぶ直行便もあるくらいですから、つながりが深いですよね」

小栗泉 日本テレビ解説委員長
「ほんとそうなんですよね。また、こうした自治体だけではなくて、Yahoo!やNGOの『ピースウィンズ・ジャパン』はすでに寄付を呼びかけていて、集まったお金は支援物資の購入などにあてる予定だということなんです」

藤井キャスター
「李光人さん、こういった迅速な動き、どう見ていますか」

俳優 板垣李光人さん (news zero 水曜パートナー)
「そうですね。今まで支援してくださったっていう“恩返し”ももちろんあるんですけど、まずは、純粋に、困っていること、大変なことに、自分が何ができるかっていうこと、そして、藤井さんが能登半島地震のときに(被災地で)おっしゃってた『知ることも支援の1つだ』っていうことは、今回、台湾は場所が離れているからこそ、地震だけではなく、台湾のことをもっと知っていきたいなって思いました」

■寄付を募る“偽サイト”に注意! 一度立ち止まって確認を

小栗泉 日本テレビ解説委員長
「ただ、注意しないといけないのは、“偽サイト”なんですよね。

これまでも災害が起きるたびに、あたかも本物のように見せかけて寄付を募るサイトというのが出ています。

なので、『寄付をしたい!』というふうに思っても、本当に信頼できるサイトなのかどうか、まず一度立ち止まって、確認してから寄付するようにしてください」

藤井キャスター
「台湾にご友人がいないという方が大多数だと思いますが、災害発生時の支援は、顔の見えない方に気持ちを伝えるものです。残念ながら“偽サイト”も存在する可能性がありますが、自分のできることは小さいと思わずに、いまは気持ちを伝えることが大切です」


(4月3日放送『news zero』より)