サリン事件 被害者“長期的な症状苦しく”
広島大学の研究チームが、「地下鉄サリン事件」被害者へのアンケートを分析し、その多くが、長期間にわたって体や心の様々な症状に苦しんでいることが分かりました。
1995年に起きた地下鉄サリン事件では、14人が死亡。およそ6000人が負傷しました。
広島大学は、事件の5年後から2009年までの10年間のアンケートをもとに、747人の健康状態を分析。7割が「倦怠感」や「目の見えにくさ」などを訴え、3割以上に「いらいら」や「物忘れ」など精神的な症状があること、さらに、調査期間の10年間にこれらが改善していないことが分かりました。
広島大学大学院・田中純子教授「被害者に対してのサポートが継続的に必要だと申し上げるための、科学的エビデンス(証拠)を得ることができた」
研究チームは、サリンによる慢性的な健康被害が、継続的な調査で明らかになったのは初めてとしています。