克行被告裁判 広島市議「経費だから」と…
元法務大臣の河井克行被告の公判が12月25日に行われ、広島市の三宅正明市議が証人として出廷し、「これ経費だから」と言われ現金を受け取ったと証言。また、八軒幹夫市議は、「これは陣中見舞いです」と言われたと証言しました。
25日の裁判では、三宅正明市議が証人として出廷。三宅市議は、去年4月と6月の2回にわたり克行被告からあわせて50万円を受け取ったと証言しました。
1回目の去年4月には、三宅市議の選挙中に、克行被告が「選挙がんばってね」と言った上で「白い封筒を『これ』というような形で手渡されました」「『結構です』と拒否しました」「違法だと思うからです」「『まあいいから』と言われました。押しつけたという言い方しか適当な言葉が浮かびません」などと述べ、現金30万円を受け取ったと証言しました。
また、去年6月にも、克行被告から参院選の選挙情勢について話をされた後、「頼むよ」と言われたと述べ、「選挙を応援してくれということです」「案里被告の選挙を応援して頂くことの念押しでいらっしゃったのだと思いました」と証言。
そして、「これ経費だから」と言われ封筒を渡されたとし、「先生、そんなものいただかなくても私は選挙を手伝うんですから」と断るも、克行被告は「まあ、いいから」と言って封筒を置いて帰ったと述べ、現金20万円が入っていたと証言しました。
また、三宅市議は、克行被告に対する今の心境について、「すごく残念に思っています」とし、今週、自身の裁判で最終意見陳述をした案里被告に対しては、「彼女が言った言葉を私は信じてあげたいと思います」と述べました。
その後には、八軒幹夫市議が広島地裁とのビデオリンクを利用して証人として出廷。八軒市議は、去年3月と6月の2回にわたり、あわせて50万円を受け取ったと証言しました。
1回目の去年3月には克行被告が八軒市議の選挙事務所を訪れ、「『先生、選挙がんばってください。これは陣中見舞いです』と言って白い封筒を出しました」「のし袋のような袋に入っていました」と述べました。
八軒市議が受け取りを断るも、克行被告は「まあいいじゃないですか」などと言って受け取るよう促したとし、「領収書の宛先はいかがいたしましょうか」とたずねると、「必要ありません」「もし必要になった時はあらためて申し上げますから」と言われたと述べ、現金30万円を受け取ったと述べました。
また、去年6月にも克行被告が事務所を訪れ、「当選祝い」として現金20万円が入った白い封筒を出してきて、領収書に関する同様のやりとりをしたと証言。その上で、2回の現金供与の趣旨について、八軒市議は「克行先生が『陣中見舞い』『当選祝い』だとおっしゃいましたから、そう受け取りました。案里先生のことが頭をよぎったのは事実です」と述べました。
八軒市議が捜査段階では現金の趣旨について、「案里被告の参院選の応援のお金としか考えられなかった」などと供述していたことから、法廷での証言の内容と異なるとして、検察側・弁護側双方からどちらが正しいのかとたびたび問われる場面がありました。
八軒市議は、捜査段階で述べたこともその時点での記憶に従った正しい供述だとした上で、「9か月くらいたって毎日反省していて、できるだけ記憶を思い返そうとしました。より真実に近いのは今日の証言です」と述べました。
【公判を追う】河井夫妻・選挙違反事件克行被告公判(12月25日)