母親に対する自殺ほう助の疑いで逮捕された市川猿之助容疑者が出演予定だった「七月大歌舞伎」が3日、初日を迎えました。代役を務めた、いとこの中車さんは舞台に上がる前、抱負を語りました。

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3日に初日を迎えた「七月大歌舞伎」。傘を深くかぶり登場したのは、市川中車こと香川照之さんです。「澤瀉屋」のお家芸「宙乗り」を初披露し、歌舞伎座に盛大な拍手が響きました。

歌舞伎を見た客
「良かったですよ、ダブル宙づり。迫力もあったし」
「中車さんもすごく良かったので、感動しました」

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演目「菊宴月白浪」は、32年ぶりのお披露目となりました。その当時、主演を務めたのは、三代目・市川猿之助でした。本来、四代目・猿之助が3日、舞台をよみがえらせるはずでした。

しかし、今年5月、猿之助容疑者は自宅で意識がもうろうとしているところを発見されました。両親は死亡が確認され、先週、母親の自殺を手助けしたとして逮捕されました。「家族3人で次の世界に行こうということになった」などと供述しているということです。

猿之助容疑者の余波が歌舞伎界に広がっています。

歌舞伎を見た客
「残念なところもあります。猿之助さんが（役を）なさったら、またどういう感じになったのかな」

150年以上続く、歌舞伎の名門「澤瀉屋」。「七月大歌舞伎」で代役を務める中車さんは、三代目・猿之助、現在の二代目・猿翁さんの息子で、猿之助容疑者の"いとこ"にあたります。

歌舞伎界入りを果たしたのは、46歳の時でした。2011年には、澤瀉屋がそろっての襲名会見が開かれました。

市川中車さん（当時45歳）
「不安しかない。僕のことは見ないで、こちら（猿之助容疑者ら）を確かな芸を見て」

会見では、父・猿翁さんを猿之助容疑者とサポートするなど和やかな雰囲気を見せていました。

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3日、32年前の父と同じ役を演じた中車さん。猿之助容疑者について言及することはありませんでしたが、舞台に上がる前、抱負を語りました。

市川中車さん
「父の熱い思いを受け継ぎ、力を込めてつとめます。澤瀉屋一門をはじめ共演の皆様の胸を借り、力を合わせて臨みます」

四代目・猿之助不在の中、澤瀉屋の顔として、舞台に立ち続けます。