【解説】死者数過去最多…2つの要因とは
新型コロナウイルスにより死亡が確認された人の数が2日、過去最多となりました。そこには「施設内感染」と「報告の遅れ」という2つの要因が。そんな中、菅首相はワクチン接種を「2月中旬にスタートしたい」と発言。2月3日現在の最新情報を整理します。
■死者過去最多となった2つの要因
2月3日、東京都で新たに676人の新型コロナウイルスの感染者が確認されました。6日連続で1000人を下回っています。
今後、どのように減らしていけば良いのでしょうか。2日、小池都知事は「新規感染者の平均が1週間前の7割以下」という目安を示しました。
例えば2月2日は、1週間で平均した感染者の数が750.9人でしたが、これは1週間前と比べると69.0%で、ちょうど7割を切ったくらいです。この「7割以下」を来週も7割、その次の週も7割と毎週継続していくと、1か月後の3月初旬には都内の感染者が平均140人以下になるといいます。
これは、緊急事態宣言解除の目安となるステージ3の基準も下回る数字で、小池都知事はこの「7割以下」を目安に、改めて感染対策を呼びかけました。
一方で2日、全国で確認された死者数は119人に上り、過去最多となりました。千葉で14人、東京で23人、いずれも過去最多となっています。東京で死亡が確認されたのは、70代から90代までの男女23人。
なぜ、ここにきて増えているのでしょうか?その要因の1つが、「施設内での感染」です。半数を超える12人が老人ホームやデイサービスなどの高齢者施設で感染して、その後亡くなりました。
もう1つは、「報告が遅れていたこと」。実は、2月2日に確認された23人のうち5人が、去年12月に亡くなっていました。東京都の担当者によると、1月中は患者数が急増していたので保健所からの情報が遅れがちになっていたといいます。先週くらいから患者数が減ってきて、だいぶ情報がくるようになったということです。ほかにも、公表に際して遺族への了承を得るため、確認が遅れたケースもあったということです。。
■ワクチン接種「2月中旬から」 “前倒し”目指す
こうした中、東京都ではワクチンに関して動きがありました。都は区市町村や東京都医師会とともに新型コロナの「ワクチン」に関する専門チームを立ち上げ、3日に初めての会合を開き、そこで接種体制の構築に向けて、連携を深めることを確認しました。
ワクチンの接種に向けての準備が進む中2日、菅総理から注目の発言がありました。
菅首相
「今後、有効性・安全性を確認した上で、2月中旬に接種をスタートしたい」
菅総理は「2月中旬」と明言しました。
想定のスケジュールでは、これまで政府は「2月下旬」から医療従事者への接種を開始するとしてきましたが、これを「中旬」に前倒しすると表明した形です。
そして厚生労働省は、2月12日にも専門家の部会を開いて、ワクチンを承認するかどうか判断する方向で調整していることが分かりました。つまり、安全性や有効性が確認されれば2月中旬に承認の可能性がでてきたということです。そのため、菅首相が前倒しを表明したのも、政府関係者への取材によると「承認されたらすぐ接種をはじめたいという気持ちの表れでしょう」ということです。
■コロナ禍で上司との関係に変化?
一方、去年から2度にわたる緊急事態宣言で「働き方」が大きく変わったという方も多いと思います。明治安田生命が「コロナ禍における上司との関係性の変化」を20代から50代を対象に調査しました。
上司との関係が「良くなった」と回答した人は13.4%、「悪くなった」と回答した人は6.7%でした。良くなったが悪くなったの倍近い結果となりました。一番多かった回答は「変わらない」で79.9%でした。
「良くなった」理由で多かったのが…
・業務内容など寄り添って考えてくれる(51.7%)
・オンライン面談などで今後の相談に乗ってくれる(27.1%)
という意見でした。
一方で
・テレワークなどにより一緒に働く時間が減ったため(16.1%)
という回答もあり、それで関係が良くなったという人もいました。
ちなみに、上司との関係が「悪くなった」と答えた人に「どのように改善」したいか?と聞いた回答は・・・
男性の1位は
「飲み会に行って関係性を良くしたい」(60.0%)
女性の1位は
「メールやLINEなどでのコミュニケーションを増やしたい」(31.3%)でした。
なお「上司と悪くなった関係を 改善したいか」という質問に対しては、56%が「今のままでいい」と答えています。
上司も部下も悩める日々が続きそうですから、心を寄せ合って乗りこえていきましょう。
(2021年2月3日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)