森会長“謝罪”に苦情…ボランティア辞退も
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長が女性蔑視と批判を受けた発言を撤回し謝罪しましたが、相次いで苦情が寄せられています。東京都には4日から数百件の電話があり、ほとんどが森会長の辞任を求める内容だということです。
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5日、東京都の小池知事のもとに渦中の人物から謝罪の電話が……
小池知事(5日午後)「先ほど森会長からお電話いただきました。本当に申し訳ないと、その発言については心底撤回をするというお話がありました」
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言し、女性蔑視と批判を受けた問題。
森喜朗会長(4日)「発言をいたしました件につきましては撤回をしたい。不愉快な思いをされた皆様にはおわびを申し上げたい」
都によりますと、4日から数百件の電話があり、ほとんどが森会長の辞任を求める内容だといいます。また、組織委員会にも苦情の電話や「ボランティアの辞退の仕方を教えて」といった問い合わせがきているということです。
実際にボランティアを辞退した男性は……
会社員男性(29)「全ての人が平等に尊重しあうというスローガンがすべて覆されてしまう一連の出来事でした。ボランティアを続けるのは森会長のような考え方を賛同してしまうということにつながると思ったので、これは続けられないなと」
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かつて日本ラグビー協会の会長を務めていた森氏。現在5人の女性理事がいるラグビー協会を名指しし、「女性というのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげて言うと、自分も言わなきゃいけないと思うのだろう」などと述べていました。
2013年に日本ラグビー協会理事に就任した昭和女子大学特命教授の稲澤裕子さんは、自分に向けられた発言だと感じたといいます。
稲澤裕子さん「森さんの(会長)時代に(女性で)理事をしていたのは私だけなんですね。これは私のことだなと思いました」
ラグビー経験がない素人の立場から意見を言うために理事になった稲澤さん。
稲澤裕子さん「(素人の立場から)質問をするのが仕事だった。女性がいると会議が長引くというのは正しくない、事実ではないと思います」
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5日、菅首相は。
菅首相「(五輪の)重要な理念である男女共同参画、そうしたことからも全く異なるものであり、私はきのう、『あってはならない発言だ』、そのように申し上げました」
一方、橋本五輪担当相は、IOCのバッハ会長から森会長の謝罪について「よく理解した」と電話があったことを明かしました。
橋本五輪担当相「(バッハ会長から)IOCとしてよく理解をしたと、引き続き政府として東京大会の成功にむけて努力してほしいと私に話があった」
しかし、ある日本政府高官は「国際的にもかなり大きな問題。発言の内容は深刻だ」としていて、政府・与党内からはオリンピック開催への影響を懸念する声があがっています。