今、「シェア買い」という新たなサービスが注目されています。１人で利用することはできませんが、家族や友達などと一緒に購入することでお得になるようです。「シェア買い」が広がる背景を取材しました。

街で聞いた買い物事情。

３０代「家族では買い物に行きますけど、友達とはもう全然行っていないです。コロナを気にして誘えない」

２０代「ネット注文が増えました」

以前のように友達と気軽に楽しめない買い物。こうした中、新たな買い物サービスが注目されています。それが「ＫＡＵＣＨＥ」というアプリ。食料品や飲み物が並ぶ一見、よくあるネットショッピングサイトに見えますが…。

カウシェ・門奈剣平ＣＥＯ「一言でいうと、１人だと買い物ができない。友達、家族、ＳＮＳ上で一緒に購入することで最大７０％お得に買えるサービスです」

１人では買うことができない、複数人で商品を購入する「シェア買い」専用のアプリなのです。ほしい商品を選んだら、ＳＮＳなどでシェア買いを提案し、２人以上が購入することで買い物が成立する仕組みです。その仕組みが価格の安さにつながっていて。

門奈剣平ＣＥＯ「人が人を呼ぶ仕掛け。購入意欲の高い方が口コミやおすすめを通じて他の人を連れてきてくれる。事業者にとって商品の魅力を広めていただける存在。プロモーションにつながるのでお得に提供していただける」

去年９月のサービス開始以降、利用者は順調に増えているということです。参加した企業は。

八天堂ＥＣ事業部責任者・吉田有希さん「複数名の方に見ていただける機会があるのは非常に面白い。新規のお客様を獲得するにもいいチャンスだなと」

クリームパンが人気の広島県の八天堂。店舗販売が中心でしたが、コロナの影響もあり、今年から新たに「シェア買い」に登録。食パンを出品したところ。

吉田有希さん「（食パン）１８０セットが、２日かからず完売できました。期間が短かったので販売が難しいと思っていたがありがたい状況だなと」

フードロスの解消にもつながり、今後も販売を続けていきたいということです。利用者にも事業者にもうれしい「シェア買い」。

１０代「みんなでシェアして、ちょっとした楽しみが増えると思うのでひとときの至福」

２０代「シェア買いで友達とか家族とかでできて、お得な特典がついているなら利用してみたい」

さらに「シェアでお得」に買い物ができるサービスはこんなところにも。

利用者「みんなで注文するだけで送料なくなって、手数料かからないのでそこが一番お得」

都内のフードデリバリーは、複数人でまとめて注文すると配送料が無料になるお得なサービスを実施しています。

Ｃｈｏｍｐｙの運営会社シン・石崎智也さん「従来の配達方式だと配送コストが大きくかかってしまい課題を感じていた。まとめて送料を抑えることによって、できるだけ日常の食を支えていきたい。日常利用をしやすくしてもらいたい」

職場で声を掛け合って利用されることが多いという「シェア買い」。こんなメリットも。

利用者「シェアしていくってことで仲間意識じゃないですけど、意識的なものでもすごくいいんじゃないかなと」

コロナ禍で人とのコミュニケーションが減った今、会話のきっかけにもつながっているということです。注目される「シェア買い」。今後もさらに広がっていきそうです。