接種約500人観察データで見る“副反応”
医療従事者およそ500人が先行接種を受けた病院で、副反応の興味深いデータが明らかになりました。
ひとつずつ手作業で入力されていくのは、新型コロナワクチンの先行接種を受けた医療従事者の健康観察データ。
接種後1週間、医療従事者は体温や接種箇所の痛み、さらに、頭痛や倦怠(けんたい)感などについて記録していました。
およそ500人の記録が集まった茨城県の水戸医療センター。果たしてその結果は――
水戸医療センター・湯沢賢治医師「9割以上の方が、疼痛(接種部位の痛み)についての記録があります」
痛みを感じた人のおよそ7割は、軽度の痛み。さらに、ある特徴も。
湯沢医師「多くの方が、当日は(痛みを)訴えていません。次の日から痛みを記録されています」
水戸医療センター・米山智医師の接種後の1週間を追いました。
まずは接種して8時間後。米山医師は、「接種直後は、特に接種部位の痛みはありませんでした」と話していましたが、しかし翌日…。
米山智医師「接種した所は、特に腫れたり硬くなったりはありませんが、押すと少し痛みます。また、肩を上げたり下げたりまわしたりすると、少し痛みます」
接種の翌日に、軽い痛みを感じていました。そして3日目には――
米山智医師「痛みは、本日はほとんどありません」
3日目以降、痛みはなくなったと言います。
水戸医療センターでは、翌日から痛みを感じたと答えた人はおよそ9割。しかし痛みは全員4日以内に消失したといいます。
次に多かった症状は倦怠感で、全体の30%ほど。その次が頭痛で、およそ20%。発熱はおよそ2%で、どれもその多くが翌日に発症したといいます。
こうした特徴から、水戸医療センターでは、接種の翌日を、あえて休みにしていました。
アナフィラキシーなど重い副反応はなかったというこの病院。一方で、接種直後に気分が悪くなるケースが3件あったといいます。
湯沢医師「緊張状態で注射の針を刺すと、それだけで血圧が下がったり、気分が悪くなったりした人が3人いたんです」
不安や緊張状態をなるべくつくらないよう、2回目以降の接種会場にはある工夫がされていました。
接種初日は、立って接種の順番待ちをしていますが、次の接種時には、座って待機できるように。また、接種後に休憩できるスペースも新設したことで、接種直後に気分が悪くなる人はいなくなったということです。
湯沢医師「あくまで、このワクチンは安全なものという認識をもって、過度な緊張状態におかれないこと。そういう環境をつくることも、我々大事だと思っています」