3つのワクチン 有効性、副反応…違いは?
国内で使われる新型コロナウイルスのワクチンについて、接種が進むファイザーに加え、21日にもモデルナとアストラゼネカが承認される見通しです。いずれも有効性は高いとされていますが、副反応や接種場所にどんな違いがあるのでしょうか。
■極端に効果は劣らない
有働由美子キャスター
「スピードアップしていきたいワクチン接種ですが、すでに接種が進んでいるアメリカの『ファイザー』と、21日にも正式に承認されるアメリカの『モデルナ』とイギリスの『アストラゼネカ』について、それぞれの特徴を見ていきます」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「どれほど発症予防の効果があるかという『有効性』ですが、厚生労働省によるとファイザーは94.6%、モデルナは94.1%、アストラゼネカは70.4%となっています」
有働
「アストラゼネカは他に比べると低いですね」
小栗
「心配になる方もいるかもしれませんが、感染症学が専門の国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授は『発症を7割予防できるのであれば、一般的なワクチンの中では、かなり有効性が高い』と話しています。例えば、毎年行われるインフルエンザのワクチンの有効性は60%程度なので、極端に効果は劣らないといいます」
■気になる副反応「違い」は…
小栗
「副反応ですが、ファイザーやモデルナで一番多かったのが『腕の痛み』でした。アストラゼネカは接種後、イギリスでは血栓ができる例が100万人あたり4人報告されていて、日本で接種対象を制限するかどうか、今後検討されます」
「また、極めて少ない例ですが、重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシーについても報告されています。厚労省によると、ファイザーは日本で100万回あたり28例、海外論文によるとモデルナは100万人に2.5人。アストラゼネカはデータがありません」
有働
「この情報を踏まえて、どう感じますか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「正直に言うと、発症予防効果に違いがあるので『一番良いのを打ちたい』というのはありますが、スピード重視でいくべきかなと思います。毎年打たないといけないのか、一度コロナにかかった人は打った方がいいのか、気になりますね」
小栗
「松本教授は『抗体を長期間維持するのは難しい可能性が高いため、感染状況によっては、接種は定期的に必要になるだろう』という見方を示しています。一度感染した人に対しては『ワクチンを打つことで予防効果を高めることができる。ただし経験上、副反応の頻度は高まる』と話しています」
■アストラゼネカ「診療所」で?
有働
「そういうこともあるので、医師に相談することが大切ですね。接種場所について、ファイザーは全国の自治体の会場、モデルナは東京・大阪の大規模接種会場ですが、アストラゼネカはどうでしょうか? 国内での生産もできるということですが…」
小栗
「ある政府関係者は、『数だけだとファイザーとモデルナで足りるが、早く打つためにはアストラゼネカも回した方が良い。選択肢としては診療所に回して、そこで打ってもらうしかないと思っている』と言います。また松本教授も、『流行を抑えるためには、とにかく早く打つことが大切で、打てる機会があれば逃さずに接種するべきだ』と訴えます」
有働
「もちろん、打つ打たないは個人の判断ですが、正しい情報を知った上で考えてください」
(5月20日『news zero』より)