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次世代型路面電車LRT“雷都”でお披露目

2021年6月1日 3:27
次世代型路面電車LRT“雷都”でお披露目

栃木県の宇都宮市と芳賀町が整備を進めている次世代型路面電車「LRT」の車両が、31日、関係者にお披露目されました。

LRTは、JR宇都宮駅から東側の芳賀町方面の慢性的な道路の渋滞緩和策として2018年6月に着工し、全長14.6キロの区間に、停留場19か所やマイカーからの乗り換え施設である「トランジットセンター」などの整備が進められています。

5月27日に最初の車両が新潟県内のメーカーから宇都宮市の車両基地に納入され、31日のお披露目となりました。まずは車両製造の動画が上映され、佐藤栄一・宇都宮市長や見目匡・芳賀町長らが除幕式を行いました。

そして姿を見せたのは、大きな窓が印象的で黄色で「L」字をデザインした、愛称「ライトライン」。夕立や雷が名物の栃木県を、雷の都「雷都」とイメージしています。

報道陣にも車両の内部が公開され、1編成3両でおよそ30メートルの車両に、国内の低床式車両としては最多となる160人の定員を確保しているということです。

また、日本では初めて、車両すべての乗降口にICカードリーダーを設置しました。また車いすの人向けに3両のうち2か所に専用スペースを設けたほか、車両の床面を低くしてホームとの段差をなくし、乗り降りしやすくするなどバリアフリーにも配慮しているということです。

こうした特徴以外にも、LRTは環境に優しい次世代の都市交通として注目され、全線が新設される形での導入は国内で初めてとなります。

一方で、当初は来年春の開業を目指していましたが、工事の遅れから、1年程度延期する方針となっています。

また、総事業費が当初見込みより1.4倍のおよそ684億円に膨らみ、県庁や繁華街のあるJR宇都宮駅西側への延伸計画も公表が先送りされるなど課題も指摘されています。

今後は一般市民向けの車両公開も計画されていて、2023年の開業予定までに全体で車両17編成がそろう予定です。