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「希望の光」アルツハイマー新薬 課題も

2021年6月9日 9:21
「希望の光」アルツハイマー新薬 課題も

認知症の人は日本で約600万人。その約7割を占めると言われるアルツハイマー病の世界初の新薬が、アメリカで承認されました。支援団体は「新たな扉を開く希望の光」と喜びますが、普及に向けた課題は何か、これまでの薬とどう違うのかをお伝えします。


■原因物質に「直接」作用で…

有働由美子キャスター
「8日、アルツハイマー病の新たな薬がアメリカで承認されたというニュースが世界中を駆け巡りました。日本の製薬会社・エーザイとアメリカの製薬会社・バイオジェンが共同開発した世界初の薬『アデュカヌマブ』です。どの点が世界初なのでしょうか?」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「そもそも、アルツハイマー病は認知機能が低下するというものです。いつ、誰がなるか分かりませんし、若年性の場合もあります。厚生労働省の資料によると、認知症の人は日本で約600万人いますが、アルツハイマー病がその7割を占めていると言われています」

有働キャスター
「自分や家族がなってもおかしくないですよね」

小野委員
「これまでは、あくまで症状を一時的に緩和する薬しかなかったのですが、今回承認された新薬は、原因物質に直接作用し、その結果、症状の悪化を長期的に抑えることができるという、まったく違っていて新しいものです。今のところ、対象は初期症状の方で投与が早ければ早いほど効果があるそうです」

■米では“年610万円”…高額な薬価

有働
「治せるわけではないけれど、かなり進行を遅らせることができるのですね。希望が持てますが、日本ではどうなのでしょうか」

小野
「日本では去年12月に承認申請が出されていますが、まだ審査中です。また、アメリカでも追加の臨床試験が義務付けられていて、もし有効性が確認できなければ承認を取り消す可能性もあるとしています」

有働
「でも大きな一歩ですよね」

小野
「当事者や周囲の人をサポートする『認知症の人と家族の会』の鈴木森夫代表理事は『私たちにとって新たな扉を開く希望の光』と歓迎する一方、『かなり高価な薬になると予測され、誰もが治療を受けられるようになるにはまだ課題がある』と話しています。あくまでアメリカの場合ですが、エーザイによると薬代だけで日本円で年間約610万円かかる
ということです」

■「テクノロジー」で認知症ケア

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「僕個人としても非常に興味を持っているテーマです。認知症は、生活習慣の改善や、周囲のサポート、投薬、テクノロジーとすべてが大切だと思います。例えばIoT機器で生活習慣を改善していくとか、周囲のサポートをやりやすくする技術は、いろいろな業界を含めて今のトレンドではあると思うので、僕も含めて、薬だけではなく、いろいろな方法でアプローチしていくような場づくり・仕組みづくりをしていくのが必要だと思います」

有働
「確かに人生100年時代と言いますから、私もまさに『じぶんごと』なのですが、誰もが注目の分野であることは間違いありません」

(6月8日『news zero』より)