熱中症対策…エアコン使う前確認することは
暑い日が続きますが、今年の夏は、平年よりも気温が高くなるともいわれています。コロナ対策とともに大切なのが、熱中症対策です。そのためにエアコンは重要です。コロナ禍の夏を快適に過ごすために、いますぐに準備しておくべきことを、詳しく説明します。
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■大規模センターで接種…住所による制限「撤廃」
最初に、ワクチン接種をめぐり、新たな動きがありました。国の大規模接種センターはこれまで、東京会場は東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪会場は大阪、京都、兵庫に住む65歳以上が対象とされていました。
ところが、10日、防衛省は、住所による制限を「撤廃」すると発表しました。つまり、全国どこに住んでいても大規模接種センターで接種が受けられるようになるということです。さらに、予約方法も、これまでインターネットなどに限られていましたが、12日午前7時からは電話による受け付けもはじまります。
緩和された背景には予約に多くの「空き」があることです。どちらの会場も、来週以降の分の予約枠が、7割も空いている状態です。今後は、64歳以下も対象とするよう検討が進められています。
■厳しくなる暑さ…例年よりエアコン「掃除」重要
徐々に暑さも厳しくなっています。そのため、ワクチン接種に行く際も、しっかりとした熱中症対策をすることが重要です。実際、この暑さにより熱中症の疑いでの救急搬送も相次いでいます。
東京消防庁管内では、10日は30人、11日は午後1時半までに11人が搬送されました。気象庁によりますと、今年の夏の気温は全国的に平年並みか、高くなると予想されているので、より注意が必要です。そこで、大事なのが、熱中症対策です。
この連日の暑さで、例年よりも早く、エアコンを使い始めたという人もいると思います。中には、掃除をする間もなく、使い始めたという人もいるかもしれないです。
しかし、エアコンを掃除しないと、今年は特に危ないということです。エアコンメーカー・ダイキン工業の広報・重政周之さんは「冬の『長時間』使用もあり、今年は、例年に増して、夏前の運転確認が重要」と話しています。
冬の平日にエアコンをどれくらい使ったかに関する調査によると、2019年12月からの3か月間は平均で5.8時間でしたが、去年の3か月間は8.4時間で、およそ1.5倍になっています。コロナの影響で、外出自粛や在宅勤務が増えたことが、影響しているとみられています。
1.5シーズン分稼働したエアコンは、どうなるのでしょうか。エアコン内部には、ほこりを取るためのフィルターがありますが、長く使うと、いつも以上にほこりが付着して汚れます。それが「異臭」の原因になります。結露によって、ほこりがカビとなり、それが不快な臭いのもとになるということです。
さらに、フィルターにほこりが溜まると、目詰まりのような状態になり、一度に吸い込み冷やせる空気の量が減るため、その分、長時間運転となって、「消費電力」が増加します。
また、一般のエアコンの耐用年数は、10年程とされていますが、長く使っているエアコンの場合、今年は例年以上の負荷がかかっているため、部品に「不具合」が生じている可能性があります。ただの不具合ではすまないケースもあります。
■早めのチェックが重要…確認すべきことは
東京都監察医務院によりますと、去年の夏、東京23区の屋内で、熱中症で亡くなった方は187人でした。そのうち1割にあたる22人は「エアコンが故障」していたということです。エアコンが故障しないために、どうしたらいいのでしょうか。
暑くなって初めてエアコンをつけて、不具合に気付く、という方も多いですが、実際、7月、8月はエアコンの不具合に関する問い合わせが、4月、5月と比べ3倍に跳ね上がるということです。そこで、7月、8月になり修理点検を依頼しても、人手が足りず修理まで2週間も待たされることもあるそうです。
夏本番に入る前、まさに今、早めのチェックが大事です。具体的にチェックすべきことは、以下の内容です。
1.最低温度に設定して、10分程度運転
2.冷風がきちんと出ているか、また異常を示すランプがついていないか確認
3.さらに30分程度運転して水漏れがないか確認
4.異臭や異音がないか確認
異臭の場合は、フィルターの汚れが原因ということも考えられるので、まずはフィルターを洗い、それでも臭いが消えない場合や、水漏れ、異音などがある場合は、エアコンメーカーに連絡することが必要です。
さらに、もう一つ、気をつけないといけないのが、フィルターの奥にあるアルミ製の熱交換器です。
ほこりが付着して汚れていると、茶色く変色して見えることがあります。こういう場合は、掃除が必要なサインです。しかし、熱交換器は壊れやすいので、自分で掃除せず、専門の業者に依頼することが大切です。
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コロナ禍で迎える2度目の夏となりました。エアコンの扱いや、マスク、水分補給など、去年一度経験しているから慣れていると思っていても、意外と忘れていたり、抜け落ちたりしていることもあります。今からできる備えをしっかりやって、熱中症から身を守ることが重要です。
(2021年6月11日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)