五輪 海外メディア来日“行動管理”とは?
東京オリンピックの開幕を来月に控え、海外メディアが続々と来日しています。組織委員会が打ち出したGPS(=衛星利用測位システム)による行動管理とは、どんなものなのか。一方で、海外メディアの民泊での宿泊が禁止されたことで、業者には影響も出ています。
開会式まで、あと39日。国の内外のメディアの拠点となる東京ビッグサイトでは、すでに海外メディアも続々と来日しています。そうした中、最大の課題が「感染拡大防止」です。
大会組織委員会・橋本会長
「GPS等により厳格に行動管理をする」
スマートフォンのGPS機能をオンにするよう求め、問題が起きた際に行動履歴を確認するとしています。
“行動履歴”とはどういうものなのか。街の人に見せてもらうと――
会社員(20代)
「豊島区。カフェにばっかりいるのがバレる」
iPhoneの場合、GPSの設定をオンにしていると「利用頻度の高い場所」が履歴として残る機能があります。
ところが…。
会社員(20代)
「でも、この世田谷区は思い出せないです。聞き覚えも見覚えもないです」
GPSの誤差によるものなのか、行ったはずのない場所が記録されていました。こうした管理について、街の人からは次のような声が聞かれました。
会社員(20代)
「安心に直結するかというと、そうではないかな。率直にはやりすぎ」
会社員(40代)「そもそも(海外メディアを)入れること自体の議論だったり、納得感だったりとかが得られていない」
どうすれば納得が得られるのか――
14日、大会運営の統括を務める中村英正氏が取材に応じました。
組織委員会 大会運営の統括・中村英正氏
「第三者の目というのは必要だと思うので、例えば、最初の3日間、特に厳格な行動が求められる時には、帯同のようなことも考えていかなければならない」
来日して最初の3日間、第三者が監視することも検討していると明かしました。
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海外メディアへの行動管理で、大きな打撃を受ける人たちもいます。東京オリンピックに向けてオープンしたという民泊では、海外から入っていた予約が、感染拡大で、ことし3月以降すべてキャンセルに。海外メディアの宿泊に望みをかけていましたが、大会組織委員会は先週、海外メディアの民泊宿泊をとりやめるように要請しました。
民泊を経営・佐藤智子さん
「全く急に、民泊はNGという運びになってしまって。若干納得が…なんで駄目なのかなって」
なぜ、民泊を除外するのか。組織委員会の大会運営統括・中村英正氏は「フロントがあり、外部との行き来をチェックできるホテルは、コロナ対策をとりやすいが、それ以外になるとチェックが難しい」と話しました。
課題が残る中、15日はIOC(=国際オリンピック委員会)のコーツ調整委員長ら幹部が来日。さらに、選手などの行動規則集「プレイブック」の最新版が公表されます。