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【解説】4月から変わる暮らし…「給与のスマホ決済払い」解禁 気になるメリット・デメリットは? 食品の値上げや受診料の負担額増加も

2023年3月31日 21:51
【解説】4月から変わる暮らし…「給与のスマホ決済払い」解禁 気になるメリット・デメリットは? 食品の値上げや受診料の負担額増加も

4月1日から新年度に入り、私たちの暮らしに関わるさまざまなものが変わります。

◇毎日食べる“アレ”も値上げ
◇従来の保険証“上乗せ”
◇給与の受け取り方も

以上の3点について詳しくお伝えします。

■4月から約5100品目の食品が値上げ

まずは、またしても値上げラッシュです。マヨネーズ、バター、ヨーグルト、ウインナー…。私たちの食卓を彩る身近なものばかりですが、いずれも値上げします。

【4月から値上げする品目(一例)】
◇キユーピーマヨネーズ:税込み475円→520円
◇雪印北海道バター:税抜き410円→460円
◇明治ブルガリアヨーグルトLB81:税抜き270円→280円
◇プリマハム香薫あらびきポーク:約5%値上げ

帝国データバンクによると、4月に値上げされる食品は約5100品目にのぼります

■従来の保険証で受診…窓口の負担額が6円ほど上乗せに

値上げだけでなく、4月からは制度も変わります。

まずは、マイナンバーカードを保険証として使う「マイナ保険証」というのが導入されていますが、これではなく、従来の保険証を使って医療機関を受診すると、3割負担の場合、窓口の負担額が6円上乗せされることになります。これは、「マイナ保険証」を普及させることが狙いだということです。

4月から医療機関に対して、「マイナ保険証」を使うためのシステムの導入が原則、義務化されます。ただ、今月26日の時点で運用を開始している医療機関は、全体の6割ほどにとどまっています。残りの4割の“導入できていない医療機関”を受診する際は、従来の保険証を持って行かないといけませんが、その代わり、窓口での負担額を上乗せされることはないということです。

■4月は交通ルールや給与支払いにも制度変更が

交通ルールも変わります。すべての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となります。

そして、会社勤めの私たちに関わることですが、「給与のスマホ決済払い」が解禁されます。給与を受け取る選択肢が増えることになりますし、ちょっとお得になる可能性もあるということです。

現在の給与の受け取り方というのは、銀行振り込みでもらうのが主流です。これがスマホの決済アプリで受け取ることができるようになるというものです。全額でもいいですし、一部だけをスマホ決済で受け取るということもできるようになります。

会社が導入したとしても、利用するかどうかは従業員次第です。従来通り銀行振り込みにするか、あるいはスマホ決済にするか、選べるようになるということです。

■「給与のスマホ決済払い」導入を検討…社員の反応は?

すでに導入を検討している企業に取材をしました。都内に本社を置くエネルギー会社日本瓦斯(ガス)です。これまで経費精算で送金アプリを導入し、デジタル化の効果を実感したことから、給与のスマホ決済払いも検討しているそうです。

日本瓦斯 尾作恵一常務
「給与というごくごく一部がデジタル化されるというだけだと、大半の社員は、抵抗は全くない」

日本瓦斯 社員
「数万円とかからまず始めてみたいなと」

日本瓦斯 社員
「今までは、やっぱりチャージをしないといけなかったのが直接振り込まれるので、その手間がなくなるのも便利だなというふうに思います」

■給与のスマホ決済払い…気になるメリット・デメリット

この新しいシステム、メリット・デメリットいろいろあります。

まずは、受け取る従業員側のメリットとしては、「給与を受け取る選択肢が広がる」ということがあります。「普段からスマホ決済を使う人にとっては、いちいちチャージする手間が省ける」というメリットもあります。また、「給与受け取りや、買い物などでポイントを受け取れる可能性」もあるということで、ちょっとお得になるかもしれません。

また、給料を支払う側の企業側のメリットとしては、「給与振り込みの手数料が安くなる可能性」があるといいます。さらに、「デジタル化の推進をしているということで、企業イメージ向上が期待できる」というメリットがあげられています。

その一方で、実は、「銀行振り込みのままでいい」という人も結構いるようです。女性向けの人材サービス会社「しゅふJOB総合研究所」が510人に聞いた調査によると、「給与のデジタル払いを利用したくない」と答えた人は、実に71%にのぼっていました。

なぜ利用したくないのか、どんなデメリットを感じているかというと、不正アクセスなどのセキュリティー面が不安だという声が大きかったです。

ただ、厚生労働省に聞いてみると、不正取引が万が一行われた場合は、利用者に対してキチンと補償をする仕組みがあり、銀行と同じ程度の安全性を確保していないスマホ決済業者というのは、この制度を通らないということです。

■給与のスマホ決済払い…従業員が利用できるのはまだ少し先の話

ただ、スマホ決済で給与を受け取れるのは、まだ少し先になりそうです。スマホ決済業者が「給与の支払いに自分たちのサービスを使ってもらえるようにしてほしい」と厚労省に申請できるようになるのが4月1日からということです。

そこで、厚生労働省が数か月かけて審査を行って業者を決定して、それを一覧化するということです。それを受けて、導入を希望する企業側は、どのスマホ決済業者を使うのかということを従業員側と協議して決めるという流れになっています。

実際に「給与のスマホ決済払い」は、早くて年内にはじまるかどうかという見通しです。今、スマホ決済の業者は80以上あるそうですが、主な会社をみてみますと、「au PAY」は4月の早い段階で申請する方向で準備中、「d払い」と「楽天ペイ」、「PayPay」は、時期は決まっていないが参入に向けて準備中、「メルペイ」は前向きに検討中、一方で「LINEペイ」は慎重に検討しているということです。

   ◇

生活のさまざまな場面でデジタル化が進んでいますが、電子決済などに興味はあっても、まだ使ったことがないという人は、これをきっかけに少しずつ生活の中に取り入れてみるのもいいかもしれません。

(2023年3月31日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)