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五輪“終電繰り下げ”SNS「矛盾」の声も

2021年7月2日 9:06
五輪“終電繰り下げ”SNS「矛盾」の声も

東京オリンピック期間中の終電繰り下げが発表され、夜遅くに観客を入れることで人出が増えることに懸念の声が上がっています。SNS上では「何もかも特別」「支離滅裂」と疑問視する声も。埼玉・千葉の知事は「夜9時以降の無観客」を求めています。


■英「2000人感染」サッカーで

有働由美子キャスター
「6月にイギリス・ロンドンで行われたサッカーヨーロッパ選手権の試合当日の映像を見ると、かなり密で大騒ぎしています。試合を見たり、関連イベントに参加したりしたスコットランドのサポーターだけでも、(スコットランド保健当局によると)合わせて約2000人が新型コロナウイルスに感染しました」

「もちろん、日本とは収容人数の上限も感染状況もまったく違います。(東京)オリンピックでこうなることはないと思いますが、どうでしょうか」

■終電繰り下げで「矛盾」「支離滅裂」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「ライブサイトを中止したり、観戦をした後は直帰するように求めたりと、対策を呼びかけ、考えているということではありますが、今SNS上で、『オリンピックは何もかも特別。矛盾してるよね』『感染を抑え込みたいのか、拡散させたいのか支離滅裂』という声が上がっています」

「これは、オリンピック期間中の終電の繰り下げについてです。組織委員会などからの要請を受けて発表されました。例えば山手線は、オリンピックが始まるとすべての区間で深夜2時ごろまでに。他にも京浜東北線や中央線、地下鉄の東京メトロでも終電を繰り下げます。これは去年、開催の延期が決まる前から決定されていた方針ではあります」

「終電を遅らせるのは、開会式と閉会式が夜11時までで、サッカーの男子決勝やソフトボール女子決勝など18競技が、夜10時以降も行われる予定だからです」

■知事から「夜9時以降は無観客を」

有働キャスター
「終電を遅らせれば、観客を分散して帰宅させることができるということも考えられていると思います。とはいえ、夜遅くに観客を入れることで人の流れが増えてしまうことを懸念する声もありますよね」

小栗
「実際、埼玉県と千葉県の知事は、『夜9時以降については無観客』を求めています。ある大会関係者も、『競技時間の前倒しは影響が大きすぎて難しい。夜9時を過ぎた競技は、知事らの言う通り、無観客にする可能性も出てくる』と話しています」

有働
「まだ揺れていますが、廣瀬俊朗さんはどのように考えますか?」

■「実効性のある対策の共有を」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「アスリート目線で考えると、もちろんお客さんが入って応援してもらいたいですが、今のこういった状況でお客さんを入れることになると、いろんな意見がアスリートの耳に入ってくることで、逆に準備などに集中できないのではないかと心配です。そう考えると、無観客でやるのが現実的かなとも感じますね」

有働
「確かに、観客にしてもスポーツの感動的なシーンを見て『感動するな』というのも無理な話ですよね。そうした人の自然な気持ちも汲み取りながら、せっかくの応援する気持ちを無駄にしかねない、台無しにしかねないというのは、やめていただきたいなと思います。大会期間中の人の流れをどう抑えるのか、実効性のある対策を早く、国民みんなに共有してほしいです」

(7月1日『news zero』より)