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【解説】最初の“発症者”から3年 6割以上の企業「もはやコロナ禍ではない」調査も “ポスト・コロナ”時代へ 

2022年12月8日 20:51
【解説】最初の“発症者”から3年 6割以上の企業「もはやコロナ禍ではない」調査も “ポスト・コロナ”時代へ 

私たちが振り回されてきた新型コロナウイルス。世界で初めての感染者が発症した日から8日で、ちょうど3年となります。この間、私たちの日常はどのように変わってきたのか、振り返ります。

●新型コロナ“初期”は…
●激変の中に便利さも
●“ポスト・コロナ”へ

以上のポイントを中心に詳しく解説します。

■「原因不明の肺炎」始まりは3年前… 日本も今や“第8波”まで

新型コロナウイルスは2019年12月、中国・武漢で最初に確認されました。当時は、多数の感染者が出た海鮮市場が閉鎖されるなどの対応が取られました。中国当局は12月31日、「原因不明の肺炎の発生」を発表。2020年1月上旬になって、これが新型コロナウイルスであると認定しました。

その後、「感染者第1号が2019年12月8日に発症していた」と発表しました。これが、今からちょうど3年前になります。

このころはまだ、日本では“対岸の火事”とみていた人も多かったのではないでしょうか。

日本国内で初めて感染者が確認されたのは、2020年1月15日でした。その後、横浜港に停泊したクルーズ船の乗客・乗員から多くの陽性者が確認され、見る見るうちに市中感染も広がり、大混乱となりました。

この3年間の東京都の新規感染者数の推移を確認します。

当初は、数人単位から始まり、87人の感染が確認された2020年4月7日、政府は初の「緊急事態宣言」を出しました。宣言が出された直後の週末を迎えた東京・銀座は、「外出自粛要請」が出され、多くの店が休業し、街からは人が消えてゴーストタウンと化しました。

この時が「第1波」で、ピークは4月17日の204人でした。その後、徐々に減少し、宣言が解除された5月25日には、感染者はわずか8人まで減っていました。

しかし、その後も感染の波は「第2波」、「第3波」…と繰り返し押し寄せ、現在は「第8波」と言われています。

こうした“波”にともない、緊急事態宣言はこれまで合計4回出されました。そして、そのたびに外出自粛要請や飲食店の時短要請など自治体による対策も行われ、私たちの生活にも大きな影響が出ました。

■「テレワーク」「オンライン飲み会」 コロナ禍で「変わったこと」「続けたい」ことは

実際にコロナ禍前と比べて変わったことをまとめました。

マスクや消毒は一時期、品薄になるような現象もありましたが、今や日常生活の一部、当たり前になっています。ほかにも、店などさまざまな場面で、人と距離をあける「ソーシャルディスタンス」が呼びかけられ、今も続いています。

さらに接触を避けるため、「キャッシュレス決済」、「モバイルオーダー」、「テイクアウト」などもかなり浸透しました。

そして、働き方も変わりました。大きかったのが、「テレワーク」です。通勤や職場での密を避けるために国が推進し、導入する企業も一気に増えました。「オンライン会議」も導入が進み、「無駄な会議や飲み会が減ってよかった」との声もありました。

イベントの開催方法にも変化がありました。無観客でのライブ配信は当初、感染対策のために行われましたが、今は客を入れた状態のライブも配信するというアーティストが増えています。

内閣府は今年6月に約1万人を対象に、「新型コロナの感染拡大をきっかけに変化した行動を、感染収束後も続けたいか」を聞く調査を実施しました。「続けたい」と答えた人が7割を超えたのは、手洗いやアルコール消毒などの衛生管理(77.1%)や、オンラインショッピング(72.1%)です。

その一方で、「続けたくない」という声が多かったものもありました。それは「オンライン飲み会」です。感染収束後には「減らしたい」「控えたい」という人が、64.1%となりました。

■世界は“ポスト・コロナ”へ 日本企業も6割以上「もはやコロナ禍ではない」調査

あれから3年、世界は今“ポスト・コロナ”の時代に移りつつあります。

多くの国では、海外への渡航制限や入国時の陰性証明の提示義務などもほぼ撤廃され、欧米などでは、多くの人が集まるような場所でもマスクをつけていない人ばかりです。現在、行われているサッカーW杯の会場でも、マスクをしている人はほとんど見られません。

では、日本はどうなのでしょうか。

東京商工リサーチが今年10月、約5200の企業を対象に行った調査によると、66.6%の企業が「もはやコロナ禍ではない」との認識を持っていました。「事業の環境は平時を取り戻した」つまり、コロナ禍前に戻りつつあるという企業のほかに、「新型コロナ以外の環境変化への対応が急務だ」という回答もありました。新型コロナよりも、円安や物価高といった直近の課題への対応に迫られている状況です。

一方で、コロナ禍で浮かび上がった「デジタル化の遅れ」などの課題への対応は終わらせずに、このまま一歩一歩前進して新たなリスクに備えるのも重要ではないでしょうか。

    ◇

コロナ禍の3年間、必死に我慢してきた旅行や会食、イベントなどは徐々に元に戻り始めています。一方で、テレワークやオンライン会議など、コロナ禍によって導入が進み、その利点に気付いて定着した事柄も多くもあります。この3年間の経験をプラスのパワーとして原動力に変えていけるといいなと思います。

(2022年12月8日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)
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