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熱海・土石流 災害支援の輪ひろがる

2021年7月5日 20:16
熱海・土石流 災害支援の輪ひろがる

静岡県熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流により多くの人が避難所での生活を余儀なくされています。市内では被災者に向けて、支援の輪が広がっています。

■災害受け「自分にできることは何でも協力したい」

JR熱海駅近くにある観光客にも人気の「熱海フルーツキング」は、避難所で過ごす人々のためにサンドイッチやゼリーを準備し、無料で配りました。

店長の高場脩平さん。災害が起きた3日(土)、広範囲に広がった土石流の影響で店の前の道路は多くの車で大渋滞していたといいます。自身も身近な人が被災したこともあり、「自分にできることがあれば何でも協力したい」という思いから渋滞で動けなくなっていた車に出向き、商品のフルーツサンドやゼリーを手渡しで配りました。中には涙を流し喜んでくれる方もいたということです。

■臨時休業し被災者にフルーツサンド

翌4日(日)朝、出勤した高場さんはお店を臨時休業にし、避難所で過ごす人に向けフルーツサンドとゼリーを準備することに決めました。

高場さんの呼びかけに集まった従業員2人と一緒にフルーツサンドおよそ200個、フルーツゼリーおよそ50個を作り、熱海中学校など避難所4か所へ向かい、被災者に配布。

受け取った人から「蒸し暑い中だったので冷たいフルーツゼリーはとてもありがたい」とお礼を言われたといいます。高場さんは「大したことはしていないが、少しでも暗い気持ちが晴れてくれれば嬉しい。今後も続けていきたい」と話します。

■帰宅困難者へ寝泊まりできる環境を

発生現場からおよそ1キロ離れたJR熱海駅近くにあるゲストハウス「ennova」。

こちらでは、災害発生の当日から帰宅が困難になった人へ向けて寝泊まりできる場所を提供しました。トイレやシャワー、ネット環境などが完備されていて落ち着いて寝泊まりできる部屋を無料で開放しています。災害発生の当日は、現場付近に住む人など6人が「家に帰れなくなった」と利用したといいます。

店主の小口真世さんは「家の状況がわからず、泊まるところがない方など、少しでも困っている人の力になりたい」と話します。