熱海・土石流 生活再建にむけて区切りを…
土石流の発生から10日目を迎えた静岡県熱海市で、避難生活を強いられている住民の一時帰宅が初めて行われました。不安を抱え、一時帰宅をした住民の方が、目の当たりにしたのは、変わり果てた街の状況でした。
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大規模な土石流から10日目。一部重機を使いながら、今も手作業で土砂を撤去しています。
静岡県熱海市の土石流ではこれまでに10人が死亡し、いまだ18人が行方不明のままです。人々の生活を一変させた土石流。131棟が被害を受け、582人が市内のホテルに避難しています。
こうした中、生活再建を進めるため12日から始まった住民の一時帰宅。そのひとり関澤浩さん。
関澤浩さん「どういう状況なのか、建物は残っているものですからおかげさまで、中の方に土砂が入っているか。どんな状況なのか確認してきたいと思います」
小林さんは30年以上家族と暮らしていた自宅が、完全に流されてしまったといいます。
小林義則さん「もう(自宅が)ないというのはわかっているんですけど、やっぱりこの目で見たいな、確認したいなと。それで踏ん切りをつけたいなと」
自らの目で見て区切りをつけ、次のことを考えていきたいと話し自宅に向かいました。安全に気をつけながら許された帰宅は2時間。
関澤さんは白い屋根のアパートで暮らしていましたが、すぐ横を土砂が流れていったことがわかります。午後3時半すぎ、自宅から戻ってきた関澤さん。
関澤浩さん「周りは今まであった裏のお宅、前のお宅、道向かいのお宅、すべて流されている状況で絶句しましたね」
関澤さんが撮影した自宅の映像には、すぐ外は原形をとどめない景色が広がっていました。子供たちの写真は無事残っていました。
そして、自宅が流されてしまった小林さんは、一時帰宅を終え戻ってきました。
小林義則さん「うちへ行く一歩手前まではいつもと変わらない風景だった。うちの手前まで行って、もうここからは危険ですので入れませんと」
危険なため自宅までは行けず、高台から自宅があった場所を見ることしかできなかったといいます。
小林義則さん「私の家の横に川が流れていたんですけど、石畳みたいなのが組んであった。そこだけはきれいに残っていた。あそこで位置を見て、うちはあそこにあったんだなということだけは確認できましたけど。でも頑張らないといけないんで頑張ります」
住民の一時帰宅は13日と14日も行われる予定です。