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メアリーが伝えるヒロシマ

2021年8月27日 12:59
メアリーが伝えるヒロシマ

原爆を落とした国の、ワタシが伝えるヒロシマの声。

「被爆者の魂。被爆者のストーリーを伝える役割」

広島市に住むメアリーの仕事は、ピースガイド。平和公園を訪れる外国人などを有料で案内するNPO法人に所属しています。コロナ禍で外国人観光客は激減。いまはオンライン中心で世界に向けて、ヒロシマの声を発信しています。

メアリーさん「爆弾は43秒間で落ちて爆発しました。その一瞬でコミュニティー、家族、インフラ、文化を破壊しました」

この日、メアリーは被爆者の田中稔子さんのもとへ。

田中さん「私は彼女はね、広島のエンジェルだと思っているんです」

メアリーさん「稔子さんにはいつもお世話になっていて、一緒に活動するのがすごくうれしいことです」

6歳のときに被爆した田中さん。メアリーの助けを借りてオンラインで被爆証言を届けてきました。

田中さん「こうして、2回、手をたたく間に広島という1つの都市はなくなりました」「やけどが治った後もですね、今度は放射能の影響が出て、非常に死ぬかと思うぐらい苦しみました」「世界、変わったね」

メアリーさん「ですよね。稔子さんは多分、戦争中、アメリカ人は悪だと学んでいて、私のおじいちゃん、おばあちゃんもそうでした。日本人について。ですので、76年がたって、今こういうように一緒に平和活動ができるのは、すごく奇跡だと思います」

原爆を落とした国と、落とされた国。共に手を取り、伝える、原爆の悲惨さ…。しかし、アメリカでは原爆を肯定する声が、根強く残っています。

メアリーさん「おじいちゃんと話した時には『原爆が実は…たくさんの命を救った。アメリカ人だけではなく日本人も戦争を終えた』ですので(祖父は原爆を)すごくいいことだと思っていて」

2月、アメリカに一時帰国したメアリ―に撮影をお願いしました。訪ねたのは戦争を知る母方の祖母。メアリーの活動から、原爆への考えが変わったと言います。

メアリーさん「おばあちゃんは核兵器をどう思う?」

祖母「私がどう思うかというと、気持ちが沈むの。起こったことを考えると嫌になるわ。私はただ祈っているわ。あなたが取り組んでいることのために。そしてあなたの話を聞くすべての人のために。人間は互いに近づきあえるし、和解できるのだから」

8月6日、ヒロシマ。原爆投下から76年。被爆者たちの声が聴けなくなっていく中、メアリーたちのような若い世代がこれからの平和活動の鍵を握っています。

メアリーさん「このようなことが二度と起こらないようにするために何ができるのか。核兵器とは直接関係なくても、私たち一人ひとりがどのようにして自分たちのコミュニティーと世界に平和の文化を広げることができるのか」

国を超え、悲しみを越え、メアリーは伝え続けます。


2021年8月15日放送NNNドキュメント’21「メアリーが伝えるヒロシマ」(広島テレビ制作)を再編集しました。