米大手開発中“飲み薬”重症化防ぐ効果期待
新型コロナウイルスワクチン接種が進む中、新たな治療薬にも動きがあります。それは、アメリカの大手製薬会社「メルク」が開発中の飲み薬「モルヌピラビル」です。
発熱やせきなどの症状がある軽症・中等症患者を対象とした臨床試験では、1日2回で5日間、合計10回服用することで、入院したり、死亡したりする重症化リスクがおよそ50パーセント減少したとの中間分析結果を、メルクが発表しました。
この飲み薬によって軽症・中等症患者の重症化を防ぐ効果が期待されています。メルクはできるだけ早くアメリカでの緊急使用許可を申請するとしていて、承認されれば世界初の新型コロナの飲み薬になります。
日本政府も調達に向けて協議しているといいます。コロナ治療薬の“切り札”となるのでしょうか。
国際医療福祉大学 松本哲哉主任教授
「インフルエンザの薬のように感染が判明したらそのまま処方して、その薬を自宅で使いながら療養するのが前提になる。医療機関のひっ迫もかなり防げることにもなりますし、ワクチンといわゆる治療薬、両方をセットにすることによって、社会の状況、感染症に対しての見方が変わってくると思います。だんだんと、インフルエンザと同じようなとらえ方の病気になってくる可能性はある」
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メルクは年内に1000万人分の薬を生産し、来年はさらに生産を拡大していく予定です。日本での承認申請については、企業側と審査を行う機関がデータなどのやりとりをしていて、申請されれば、厚生労働省は、早期に特例承認する見通しです。
10月4日放送『news zero』より。