「情報はタダじゃない」訴える意図? Twitter閲覧制限 “スクレイピング”…サーバー負荷にマスク氏不満か
突然Twitterの閲覧に制限をかけたマスク氏。そこには、生成AIの開発で情報をかき集められることと、大量のデータ抽出でサーバーに大きな負荷がかかることへの不満があるとみられています。専門家によると、制限はいつまでも続かないといいますが…。
有働由美子キャスター
「本当に突然でわさわさしましたけれども、なぜ今、突然マスク氏は(Twitterの閲覧制限を)決めたんでしょうか?」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「マスク氏の真意はなにかを考えると、『情報はタダじゃないぞ』ということを言いたいのではないかと思います」
有働キャスター
「というのは…」
小野解説委員
「マスク氏は『Twitterの情報が“スクレイピング”されている』と表明しています。このスクレイピングというのは、“情報をもっていかれる”という意味です」
「今、Twitterでやりとりされる会話や情報をチャットGPTなど生成AI(=人工知能)がごっそりかき集めて学習に使っていると。マスク氏はそれを不愉快に思って制限をしたいのではないか」
「それからもう一つ、スクレイピングには『ひっかいて傷つける』という意味もあります。大量のデータを抽出されると、Twitterのサーバーに負荷が大きくかかるわけです。つまり、『こっちだって傷つくんだ』という不満もあるとみられます」
有働キャスター
「AI開発企業への制限のために、一般のユーザーの私たちも大変な迷惑をこうむっているじゃないですか」
小野解説委員
「確かに、迷惑というか、困っている人も多いと思います。たとえば、熊本市はこんなツイートをしています。『天君ダムが満水に近づいています。緊急放流に移行する可能性があります』と、これ見て警戒した周辺住民もいるのではないかと思います」
「それから、先日、news zeroのスタッフが乗っていたJRの列車が止まってしまった。車内で頼りにしたのは、Twitterでした。京浜東北線の遅延情報をずっと見ていたそうです。厚労省から出る食品安全(の投稿)では、アニサキスによる食中毒の予防方法、こうして防ぎましょうという注意喚起に目を通している人も多いんじゃないかと思います」
小野解説委員
「制限はいつまでも続かないと専門家はみています。SNSのデータ分析に詳しい徳島大学・デザイン型AI教育研究センター長の石田基広教授は『閲覧を制限すると広告表示が減り、広告収入の減少につながります。このままの制限を続けるのは難しいのではないか』と話しています」
有働キャスター
「ただその期間、制限がかかっている私たちは、フォローする人を減らすとか、見る回数を減らすことしか思いつきませんが、ただTwitterの情報は安心安全に関わることもありますから、安定した運用にしてほしいです」
(7月3日放送『news zero』より)