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熱海「盛り土」10年前には危険性を認識

2021年10月19日 1:31
熱海「盛り土」10年前には危険性を認識

今年7月、静岡県熱海市で発生した大規模な土石流。原因とみられているのが、最上部にあった「盛り土」ですが、その危険性について県と市が少なくとも10年前には、認識があったことがわかりました。

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今年7月、静岡県熱海市に甚大な被害をもたらした土石流。26人が死亡、いまだ1人の行方がわかっていません。

原因とみられているのが、土石流の起点となった大量の「盛り土」です。その盛り土について明らかになったのが─。

熱海市 土砂搬入の中止要請(2010年)
「土砂崩壊が発生すると、逢初川水域の住民の生命と財産に危険を及ぼす可能性がある」

熱海市 公開された資料(2011年5月)
「この区域については盛り土がされているが、のり面が崩れてきており危険である」

資料から、少なくとも10年前には、市が盛り土の危険性を認識していたことがわかります。

盛り土された土地は、2006年に神奈川県の不動産管理会社が取得しました。盛り土の量は計画されていた量の2倍以上でした。

2011年、現在の所有者に変わりましたが、盛り土の危険性を認識していた県と市は、土地の前の所有者に対し安全対策を講じるよう求める「措置命令」を出すことを決定。しかし結局、市から措置命令は出されませんでした。

その理由について市長は─。

熱海市 斉藤市長
「(前の所有者が)防災工事を実際に行ったこと、(今の所有者も)追加工事を行うと明言したので、この時点では正しいと思って判断した」

県は─。

静岡県 難波副知事
「私は措置命令を出す必要があったと思いますが、措置命令を出したら相手がそれに従っていたかどうかは、別問題だと思います」

土石流で母親を亡くした、被害者の会・会長の瀬下さんは─。

被害者の会 瀬下会長
「10年以上前に崩落の危険性を認識していたことが、明らかになった。乱暴な言い方をすれば悪意、殺意はなくても、死んでも仕方ないと思っていた節がある」

前所有者が代表をつとめていた不動産管理会社の元社員は、次のように指摘しました。

盛り土をした不動産管理会社元社員
「責任あるのは行政だと思う。(盛り土の問題を)知ってて放置して、(行政の)指導が行き届かなかったために、ああいう事故になった」

県や熱海市は今後も関係者にヒアリングし調査を進めるということです。

10月18日放送『news zero』より。

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