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国内初のコロナ「予防薬」…効果と対象は?

2021年11月5日 10:34
国内初のコロナ「予防薬」…効果と対象は?

■「カクテル療法」治療薬との違いは

有働由美子キャスター
「新型コロナウイルスの発症予防薬が、日本で初めて承認されることが4日、決まりました。どういうものなのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「『ロナプリーブ』という中外製薬の薬です。『抗体カクテル療法』の治療薬として聞いたことがある方も多いと思います」

「これまでの抗体カクテル療法では治療薬として使われていて、感染した人の重症化を防ぐためのものでした。対象は重症化リスクのある軽症・中等症患者で、点滴で投与していました」

■医師が必要性判断…使用は限定的に

有働キャスター
「今回は『予防』にも適用拡大ということで、発症していなくても使えるということですか?」

小栗委員
「そうです。ただ、対象は限定されていて条件があります」

「まず、原則として『重症化リスクがある人で、コロナ患者と同居する家族などの濃厚接触者で感染していない人、または感染していても無症状の人』です」

「なおかつ、『ワクチン接種をしていない人、もしくは接種していてもワクチンの効果が不十分と考えられる人』に限られます。点滴のほか、皮下注射も可能になります」

有働
「限定されるとはいえ、第6波に向けて新たな武器とは言えそうですね」

小栗
「広く発症を防ぐためのワクチンとは全く役割が違っていて、医師が本当に必要と判断した場合の、極めて限定的な使い方になります」

「コロナ患者の治療に当たる医師も『ワクチンを打っていなくて重症化リスクがある人なら、効果が高いのでは』『ただ、副作用などもあるので、本当に必要な人にだけ投与すべき』と話しています」

■廣瀬さん「医療従事者の負担減に」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「今後の感染拡大を抑えるために、選択肢が増えるのは良いことだなと思います。感染を防ぐには、現状はワクチンを打つのが一番かなとは思いますが、いろいろな事情で打てない人もいるので、この方法を使って入院しないようになり、医療従事者の負担が減ることにもつながるといいなと思います」

有働
「多くの人が事前に打てて防げるワクチンの重要性は変わらないわけですが、戦う手段が増えるというのは心強いですし、それを生かすための医療体制の強化も、今のうちにしっかり進めてほしいです」

(11月4日『news zero』より)