【解説】「台風の特別警報」とは 特別警報待たず暴風の前に避難を
非常に強い台風10号は29日にかけて、九州にかなり接近し、上陸するおそれがあります。鹿児島県にはこのあと、台風の特別警報が出される見込みです。台風の特別警報について、社会部災害担当の藤吉記者に聞きます。
――台風の特別警報、聞き慣れないですがどういう時にでるのでしょうか?
台風の特別警報は、数十年に一度という危険なレベルの強さで台風の接近や上陸が予想された場合に出されるもので、これまでに経験したことがないような暴風、高潮、高波が見込まれます。
台風の特別警報は台風の中心が到達するおよそ12時間前に発表されるもので、このあと、奄美地方を除く鹿児島県に出される見込みです。
これは、1959年に死者・不明者5000人以上がでた伊勢湾台風の映像ですが、台風の規模はこれに匹敵するレベルとなります。当時に比べ防災対策が進んでいるので同じような被害がでるわけではありませんが、最大級の警戒が必要です。
――どのようなことに警戒すべきでしょうか。
今回の台風の特徴は、移動する速度が非常にゆっくりであるということです。つまり暴風の時間が長く、大雨が同じ場所で降り続けるということになります。
特に暴風は家屋が倒壊するような風が予想されていますが、暴風が吹きはじめてから屋外で移動することはとても危険です。暴風の前に避難を終えることが重要です。
また、今回は鹿児島県や宮崎県に大雨特別警報が出される可能性もありますし、台風の北上にともなって、ほかの九州地方でも警報の範囲が拡大する可能性もあります。特別警報がでるのを待たずに、危険な場所からは避難してください。