北朝鮮「失敗」認める ロシア技術の“新エンジン”? 導入急ぎ空中爆発か
27日夜、軍事偵察衛星を北朝鮮が打ち上げましたが、ロケットの1段目が空中爆発し、打ち上げが失敗したと認めました。ロシアの技術を使ったエンジンの導入を急いだことが、失敗につながったとの見方もでています。
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記者(日本時間27日午後10時40分すぎ)
「上がりましたね。北朝鮮側から今、飛翔体が打ち上がりました」
27日夜、西部・東倉里にある西海衛星発射場から発射された北朝鮮の偵察衛星を載せた新型ロケット。日本に打ち上げを予告したその日に発射されましたが…
記者
「光線がだんだんと長く伸びて空に上がっていくのが確認できます」
「今、消えましたね」
打ち上げは失敗に終わりました。
韓国軍が公開した映像には、白い光が2つに分裂したあと、大きな爆発が起こり、ゆっくりと降下していく様子が映っていました。打ち上げの2分後には、北朝鮮側の海上で多数の破片が確認されたということです。
すると、約1時間半後には…
朝鮮中央通信
「新型衛星運搬ロケットは、1段目の飛行中に空中爆発し打ち上げは失敗した」
早々と「失敗」を認めたのです
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日本では…
記者(沖縄・石垣島)
「今、10時46分です。Jアラートが鳴りました」
沖縄県には一時Jアラートが発出。
住民(沖縄・石垣島、28日午前1時前)
「(Jアラートがでたとき)居酒屋で飲んでました。 びっくりしました、一斉に鳴りました」
半年前に衛星の打ち上げに成功し、今年中に追加で3基打ち上げると意気込んでいた北朝鮮。今回、北朝鮮は「新しいエンジンを使った」と公表していますが、実は、失敗した原因はこのエンジンにあったとみられているのです。
韓国メディアはこの「新しいエンジン」について、“ロシアの技術支援”があると指摘していて、その導入を急いだことが失敗につながった可能性があるとの見方を示しています。ただ、韓国軍関係者はこの点について言及を控えています。
専門家は、ロシアからの技術の提供が十分だったのかは疑問だと言います。
北朝鮮政治が専門 慶応義塾大学・礒崎敦仁教授
「ロシアからの技術供与があったとしても、それは一部にすぎなかったのではないか。もし十分な軍事的な技術の供与が北朝鮮にもたらされていれば、今回成功していたかもしれない」
今後の打ち上げについては…
北朝鮮政治が専門 慶応義塾大学・礒崎敦仁教授
「(今年は)まだ半年以上、残っていますから、数か月かけて今回の失敗の原因を徹底的に究明して、次の成功につなげるべく、打ち上げを強行するものとみている」
日本政府は、北朝鮮に抗議するとともに今後も警戒を続ける方針です。