南海トラフ沿い地震、先月は「特段の変化なし」も「いつ巨大地震起きても不思議はない」
気象庁は南海トラフでの巨大地震発生の可能性を評価する定例の検討会を開き、7月は「特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。一方で、いつ巨大地震が起きても不思議はない状態に変わりはないとして、備えを呼び掛けています。
今後30年以内の発生確率が70%から80%とされる南海トラフ巨大地震について、気象庁は7日、専門家による定例の評価検討会を開きました。
先月1日から今月5日までの期間に南海トラフ巨大地震の想定震源域と、その周辺ではマグニチュード3.5以上の地震が4回発生しました。このうち3回の地震は日向灘が震源で、先月30日にはマグニチュード5.1の地震がありました。
ただ、いずれの地震も想定される巨大地震とメカニズムが異なり、地震の規模も小さいということです。
また、南海トラフのプレートの沈み込みに伴って、長期的に地盤が沈んでいる静岡県御前崎の観測データには、大きな変化はないとしています。
こうしたことから、検討会は南海トラフ周辺で「大規模地震の発生の可能性が高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。
評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は、南海トラフ沿いでは、いつ巨大地震が起きても不思議はない状況が続いているとして、地震への備えをするよう呼び掛けています。