陸自ヘリ 事故直前の無線で「了解」異常知らせるものではなく… いまだ隊員10人不明
沖縄県の宮古島沖で、陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶って10日で5日目です。行方がわからない隊員10人の捜索が続く中、海面に浮くヘルメットが発見されました。また、事故直前、空港の管制官と英語で交わした無線の内容も明らかになりました。
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6日午後3時53分ごろ撮影されたのは、沖縄・宮古島市の上空を飛ぶ1機のヘリコプター。今月6日から消息を絶っている陸上自衛隊のヘリとみられています。この映像が撮影されたのは、ヘリが行方不明となる約3分前でした。撮影した男性によると、ヘリは真っすぐ飛び、音も通常通りだったということです。
ヘリコプターの消息が途絶えて5日目の10日、陸上では約370人態勢で漂流物を捜索する自衛隊員の姿や、海岸線を捜索するためでしょうか、2艇のゴムボートが港を出ていく様子が見られました。海上には、潜水艦救難艦「ちはや」が派遣され、さらに10日は、地元の漁業組合から依頼を受けた漁船9隻が捜索に加わりました。
捜索に参加した漁師
「ロープとか、ゴミとかしか見当たらない。早く見つかってほしいですけど」
搭乗していた第8師団のトップ、坂本師団長ら10人が行方不明になっている事故。10日、松野官房長官は「きのうには洋上で搭乗していた隊員のヘルメットが発見されたものの、行方不明の隊員10名を見つけ出すに至っていません」と述べました。
撮影されたのは海に浮かぶ1個のヘルメット。9日午前、搭乗していた隊員のヘルメットを回収したことを明らかにしました。ヘリに関連するとみられる部品や装備は、これまでに、救命ボートやドア、機体の外につける燃料タンクなどが見つかっていています。
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突如、消息を絶ったヘリに一体何があったのでしょうか。
事故直前、空港の管制官と英語で交わした無線の内容も明らかになりました。
離陸の際、行方不明になったヘリは「海岸線を飛行します」と伝えていました(午後3時46分)。そして、ヘリが行方不明となる2分前、「下地島の管制圏に入ったら、下地島の周波数で連絡ください」という、空港の管制官からの連絡に「了解」と応じたといいます。
複数回にわたるやりとりは、異常を知らせるものではなかったということです。行方不明者の早期発見に向け、捜索は24時間体制でいまも続けられています。