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“子どもの性被害”防げるか……「性犯罪歴ナシ」証明書どうなる? データベース管理で効果も課題 英は「不適切」6万人超

2022年8月31日 11:50
“子どもの性被害”防げるか……「性犯罪歴ナシ」証明書どうなる? データベース管理で効果も課題 英は「不適切」6万人超

20人の子どもに性的暴行を加えたなどとして、元ベビーシッターの男に懲役20年の実刑判決が言い渡されました。このような事件の対策として、性犯罪歴がないことを示す証明書の導入が検討されています。その背景や海外の例、課題を考えます。

■「無犯罪証明書」の仕組みは?

有働由美子キャスター
「こういう事件を二度と起こさないためにどうしたらいいか、今検討されているのが『無犯罪証明書』です。子どもに関わる仕事に就く人は、子どもへの性犯罪の前歴がないという証明書を提出する、というものです。どういう仕組みなのでしょうか?」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「例えば私たちが保育所の職員になりたいと応募するとします。すると保育所から『子どもへの性犯罪の前科がありませんね? その証明書を出してください』と提出を求められます。そこで役所に証明書を提出します」

「役所では個人の性犯罪歴をデータベースで管理していて、該当しなければ証明書が発行され、保育所に提出します。こうした制度が今、考えられています」

■潜む危険…英国では25年以上前から

小野委員
「実際、学校の教員がわいせつ行為で懲戒免職になったのに、その後、児童福祉施設に再就職するケースもありました。その点、データベースにしておけば前歴がある人は引っかかります」

有働キャスター
「これはとても有効だと思います」

小野委員
「イギリスでは25年以上前からやっている地域があります。子どもだけでなく、高齢者や障害者に接する仕事が不適切だと判定された人はこれまでに6万人以上いるとされています。それだけ危険は潜んでいるということです」

「日本も取り組みは行っています。わいせつ行為で登録が取り消しになった保育士は再登録を厳しくする、などの法改正がされています」

「ただ、証明書を作るという声は上がっていて、提言してきたNPOフローレンスの担当者は『子どもたちの尊厳を何があっても守らなくてはいけない。真に子どものための制度設計を求めたい』と話しています」

■導入どうなる?…課題が山積み

有働キャスター
「すぐにやれないものですか?」

小野委員
「簡単ではありません。特に教育現場での性犯罪は、起訴される事案が少ないです。示談になって行政処分で終わったケースは本当にデータベースに反映できるのか、という問題があります」

「塾の講師やスポーツのコーチなど、子どもに関わる仕事全てに当てはめるのか、職業選択の自由を侵すことにはならないか、という指摘もあります。山のように課題があります。実際の導入はまだ見えません」

(8月30日『news zero』より)