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【気象解説】今後の大雨は…「台風5号」進路と影響 新たな台風も接近か

2024年8月12日 18:01
【気象解説】今後の大雨は…「台風5号」進路と影響 新たな台風も接近か

台風5号、そして大雨の今後の見通し、さらに新たな台風に発達しそうな熱帯低気圧の動向について、気象予報士の木原実さんに解説してもらいます。

■台風5号が東北を横断 記録的大雨に

台風5号は、12日(月)午前8時半ごろ、岩手県の大船渡市付近に上陸しました。午後4時現在、台風はゆっくりと東北地方を横断中で、間もなく秋田県沖の海上に抜けるものとみられます。実は東北の太平洋側に台風が上陸するのは珍しく、過去2例しかなく、これが3例目のことになります。

台風の接近にともなって、東北の太平洋側では台風周辺の湿った空気が流れ込み続けたため、上陸する前から雨雲が長時間にわたってかかり、記録的な大雨になった所があります。この48時間で降った雨の量を見てみると、特に、岩手県内の沿岸部で極端に雨の量が多くなっていて、岩手県の久慈市下戸鎖で477ミリに達しています。これは平年の8月1か月で降る雨量の2倍を超えています。これだけの雨が、たった2日で降ってしまったんです。その他、同じく岩手県の大槌で306.5ミリ、久慈市山形で280.5ミリなど、観測史上1位の記録的な大雨となっています。(※雨量は午後4時10分まで)

この大雨で、岩手県内では土砂災害や河川の増水など、大雨災害の危険度が高まっている所があります。最新の気象情報や自治体の避難情報をこまめに確認し、身の安全を第一に行動するようにしてください。

■いつ頃まで大雨に警戒必要?

台風は徐々に勢力を弱めていますが、中心付近ではこの後も発達した雨雲がかかり、今度は日本海側でも雨の降り方が強まりそうです。また、太平洋側は台風本体からは離れますが、台風に向かって海からの湿った空気が流れ込むため、北海道方面にかけて激しく降る所があるでしょう。東北地方では、13日夕方までに、多い所で、120ミリの雨が予想されていて、さらにその後、14日夕方かけて、100ミリの雨が見込まれています。また、北海道では13日夕方までに、多い所で150ミリ、14日夕方までに120ミリの予想です。引き続き、土砂災害や河川の増水・氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒してください。

■新たな台風が週後半に関東接近おそれ

一方、日本の南海上では他にも続々と台風や熱帯低気圧が生まれています。きのうの午後6時には日本の東海上で台風6号が発生。さらに新たな熱帯低気圧も発生していて、こちらは今後24時間以内に台風に発達する見込みとなっています。

台風6号は、今後もあまり発達せず、13日には熱帯低気圧に変わる予想です。ただ心配なのが、新たに台風に発達する見込みの熱帯低気圧です。この熱帯低気圧は、14日昼までには台風に変わって、その後も北上を続け、金曜日ごろには暴風域を伴って関東に接近するおそれがあります。まだ予報円が大きく、東海地方から関東の東海上まで、どこを通るのか定まっていませんが、接近した場合は大荒れの天気となるおそれがありますので、今後の情報に十分ご注意ください。