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「大雨に備える」“関東最大級”宮ヶ瀬ダム 杉野アナ・佐藤アナ・市來アナが取材

2024年6月22日 9:45
「大雨に備える」“関東最大級”宮ヶ瀬ダム 杉野アナ・佐藤アナ・市來アナが取材
大雨や台風で水害が多発する季節を前に、日本テレビアナウンス部の防災報道班チーフ矢島学アナウンサーの声掛けで、杉野真実アナウンサー、佐藤梨那アナウンサー、市來玲奈アナウンサーが、神奈川県にある宮ヶ瀬ダム見学ツアーに参加。

今回初めてダムを取材した杉野アナ・佐藤アナ・市來アナ3人の対談形式でダムの役割や防災への備えについてお伝えします。国交省協力のもと普段は入れないダムの内部にも迫りました!!

杉野「取材した宮ヶ瀬ダムは都心から約50キロ。雄大な自然の中に忽然とダムが現れましたね。二人は最初にダムを見た時、どう感じましたか?」

佐藤「高さと有効貯水量では関東最大級、とにかく大きかったです! 写真を撮ろうと思っても、全景がカメラ画面に入りきりませんでした」

市來「本当に迫力がありましたね! ためられる水の量は約2億立方メートル、これは箱根駅伝でもおなじみの芦ノ湖とほぼ同じだそうです」

佐藤「ダムの高さは156メートル。そのてっぺん『天端(てんば)』は長さ375メートルで、コンクリート構造物の巨大さに圧倒されました! あいにくの天気でしたが、晴れていれば遠くに横浜ランドマークタワーも見えるそうですよ」

宮ヶ瀬ダムには、(1)大雨時に洪水被害を防ぐ「洪水調節」、(2)川の環境を正常に保つ、(3)水道水をためる、(4)ためた水を利用して発電する、という4つの役割があります。川の水をためて効率的に使う「利水」と、洪水被害を未然に防ぐ「治水」を兼ね備え、私達の生活に大きく関係しています。

市來「その宮ヶ瀬ダムの特色の一つが、迫力のある放流をダム直下で見ることができる観光放流ですよね! 轟音とともに『洪水吐(こうずいばき)』から毎秒30立方メートルの水が高低差70メートルの滝となって流れ落ちるダイナミックなショーでしたね! この観光放流、水を無駄にしているわけではなく、下流にある石小屋ダムの湖に水を供給し、そこから水道用水等の必要量を下流へ流しているそうです」

佐藤「見に来ていた人たちから歓声が上がりましたよね。ダムからの水しぶき『ダムじる』を浴びることができます。最初の写真は『ダムじる』を浴びて大興奮な4人です! 是非、皆さんも直接体感してほしいですね!」

迷路のようなダム内部に潜入

杉野「ダム内部にも入ることができました! 年間を通して15℃ほどという堤体内、自然の冷蔵庫で、実際に酒の貯蔵にも活用されているそうです。ひんやり心地よく感じましたが、二人はどうでしたか?」

市來「約2キロにもおよぶ『監査廊』と呼ばれる通路が張り巡らされていて、とても長い階段もあり、迷路のようでした! 職員の方々はこの通路を使って、日々点検・安全管理を行っているそうです。ダム内部にある『洪水吐』のゲートやダムのひずみを測定する機器などを見学できました」
 
佐藤「印象に残ったのは下流の生態系を守るための『選択取水』という設備です。ダム湖の水温は上部と下部で異なるため、川にいるお魚たちがびっくりしないように、下流に適温の水を流す工夫をしているそうです。また、水の濁度も判別して、きれいな水を流すこともできるそうです」

大雨から街を守る“ダムの対策”、私たちができること

ダムは大雨時、流れてくる水のうち一定量をためて、下流に流す量を減らす「洪水調節(防災操作)」をおこないます。

しかし、地球温暖化の影響で、戦後多くのダムが建設された当時は想定されていなかったような大雨が降るようになりました。

そのため近年、ダムの容量がいっぱいになることがあり、入ってくる水の量と同じ量を下流に流す「緊急放流(異常洪水時防災操作)」が実施される頻度も増えています。

杉野「2019年、台風19号が関東を直撃した際には多くの川が氾濫したのですが、この宮ヶ瀬ダムは4300万立方メートルもの水をためて、下流の水位上昇を抑えて、氾濫リスクを下げ、緊急放流にも至りませんでした」

市來「もしダムが緊急放流をすると下流の河川水位は上昇するため、私たちアナウンサーはダムが緊急放流する前に、視聴者の皆さんに身の安全確保をしてもらう呼びかけを心がけています」

取材後記

大雨災害への備えとして、まず雨が降る前にお住まいの地域のハザードマップを見ておくことが大切です。

そして、雨が降り始めたら、国土交通省の「川の防災情報」や気象庁の「キキクル」で身近にある川やダムの状況、土砂災害の危険度をチェックしてください。

今後の避難行動の指針にすることができます。

佐藤「私たちが見学に行った日には、小学生の社会科見学も行われていました。『防災を学ぶ』というと堅く感じてしまいますが、観光放流などを通して、ダムをより身近に感じられますよね。ダムの働きや大雨に備えることを知る良いきっかけだと感じました」

杉野「今回の取材で、ダムが私達の暮らしを守っている事や、そのダムが正常に機能するよう常日頃保守点検をしている職員の方々の熱意を感じました。一方で、そのダムを作るために、人々が暮らした村が湖底に沈むことになった事、また自然環境に影響が出るため、その水質や周囲の生態系に引き続き気を配り続けている事も知り、こうした事も忘れてはいけないと胸に刻みました」

市來「“雨が降っていないから大丈夫”ではなくて、雨が降っていない時に、今のうちに『川の防災情報』・『キキクル』を開いて操作し、使い方に慣れておけば、ご自身と大切な方の命を守ることに繋がります。使い慣れていないお年寄りの方と離れていてもご家族が調べて教えてあげることもできますので、是非活用して下さい」

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ちなみにダム見学のおすすめは「ダムカレー」! ダムの中にはご当地グルメのように、それぞれの特徴をあらわしたカレーがあります。カレールーの流れ方や、ダムをかたどるお米の形も違うそうです。是非お近くのダムカレーを召し上がって下さい!

(取材・文 日本テレビアナウンサー杉野真実・佐藤梨那・市來玲奈 監修:矢島学)