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【コラム】日テレ・市來玲奈アナ「寄り添い続けたい」と感じた【能登半島地震の支援活動を通して】

2024年4月27日 9:00

■避難所で「ぜひまた来て下さい」目頭が熱く・・・

続いて訪ねたのは、同じく輪島市河井町にある避難所「ふれあい健康センター」。
依然として簡易トイレ、段ボールベッドを使ったテントなど制約のある生活を余儀なくされていました。

大変な状況のなか、避難者やスタッフ、小さい子供から高齢者の方々まで30人ほどの人が集まってくれました。豆知識やご当地のクイズに、積極的に手を挙げて元気よく答える子どもたち。正解してご褒美のシールを受けとると、大喜び!また笑いながら体を動かす体操では、子どもたちだけではなく、お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんも一緒にみんなで大きな声を出して、笑いながらストレッチしました。体を起こして目線も上向きになることで、皆さんの表情がパッと明るくなり、その場がより和やかになりました。一人ひとりの笑顔がこの上なく嬉しかったです。

参加してもらった皆さんからは「来てくださり、本当にありがとうございます。ぜひまた来てください」と喜びの言葉をかけてもらい、目頭が熱くなりました。

■いまだ散乱するガラス、きしむトタン「心が苦しく・・・」

そして、“日本三大朝市”の一つ「輪島朝市」が開かれていた場所にも足を運びました。火災で焼け落ちた建物が骨組みだけになっていて、まだ薄らと焼け焦げた臭いがしました。瓦礫やガラスも散乱していて足元は危なく、風が吹くとトタンのきしむ音が響いていました。焼けてしまった数多くの器やお箸を見ると、ここがお店だったのだな、と改めて“朝市”ということが思い出されました。
周辺の道も液状化や揺れの影響なのか、石畳が崩れ、マンホールは隆起していました。また1階部分が潰れた住宅なども数多く目にして、平衡感覚がなくなってしまうような経験をしました。何より目の前に広がる、3か月経った今も色濃く残る“爪痕”に心が苦しくなりました。

■かすかに聞こえてきた「おとのみち」

輪島市への道中でも、土砂崩れ、陥没により崩れた道路や崖、ブルーシートで屋根を覆った家々など、目を疑うような光景が広がっていました。今回輪島市に向かう時に通った、金沢市と能登半島を結ぶ「のと里山海道」も大きな被害を受けていましたが、3月15日には輪島市方面へ向かう全線で通行できるようになっていて、復旧・復興に向けた取り組みがしっかりと進んでいました。
この「のと里山海道」には、車が一定の速度で走るとメロディーが聞こえる「おとのみち」があります。道路に間隔の異なる溝が刻まれていて、車がその上を走ると音が出る仕組みです。この「おとのみち」には、NHK連続テレビ小説「まれ」の主題歌である「希空~まれぞら~」のメロディーが使われています。
今回私が通った時も、そのメロディーが、途切れ途切れでかすかですが、確かに耳に聞こえてきました。復興の一歩として、通行の再開を奏でるメロディーが、“希望”となり被災地の人々や能登を訪れる多くの人に届くよう、心から願っています。私からのメッセージも込めて、「希空~まれぞら~」の一節を引用したいと思います。

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