石川・能登 地震活動の活発化から3年「再び非常に強い揺れのおそれも」政府の地震調査委員会
石川県能登地方で3年近く続いている群発地震活動について、政府の地震調査委員会は活発な状況は変わらず、今後も非常に強い揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけました。
11日、政府の地震調査委員会は定例の会合を開き、先月の地震活動について評価を行いました。
日本とその周辺では先月、マグニチュード4.0以上の地震が69回発生したということです。
2020年12月ごろから群発地震活動が続いている石川県能登地方では、2020年12月1日から今月8日午前8時までの期間に、震度1以上を観測する地震が501回発生しています。
このうち、先月1日から今月8日午前8時までに、最大震度1以上を観測した地震は8回発生したということです。
地震の規模を示すマグニチュード別では、先月はマグニチュード2.5以上の地震が6回発生していますが、地震活動が活発となる以前は地震がほとんど発生しなかった地域であることから、気象庁の担当者は「6回は決して少ない回数ではなく、かなり活発だ」と説明しました。
今年5月5日には、能登半島沖を震源とするこれまでで最大規模となるマグニチュード6.5の地震が発生し、最大震度6強の揺れを観測しました。
その後、地震活動がさらに活発となりましたが、時間の経過とともに減衰しているということです。
一方、国土地理院がおこなった衛星を使った観測では、珠洲市にある観測点で東方向への変動がみられていて、5月5日の地震以降、その動きがさらに加速していたものの時間の経過とともに、その動きは鈍化しているとみています。
こうしたことから地震調査委員会は、地震発生数と地殻変動は、5月5日のマグニチュード6.5の地震発生前の状況にほぼ戻っているとしながらも、群発地震がおきる前の状況にはなっておらず、能登地方での一連の地震活動は「当分続くと考えられる」とする評価をまとめました。
地震調査委員会の平田直委員長は、再び非常に強い揺れを伴う地震がおきる可能性があるため、十分に注意してほしいと呼びかけています。