石川・能登地方の群発地震「流体の移動が関与か」政府の地震調査委員会が初評価
石川県能登地方で続く群発地震活動について、政府の地震調査委員会は、地震の原因について「流体の移動が関与している可能性がある」とする見解を初めて示しました。その上で、一連の地震活動は今後もしばらくの間は続くと考えられるため、強い揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけています。
2020年12月から、石川県能登地方で続く活発な地震活動をめぐっては、これまで大学などの研究グループが、地下に何らかの「流体」があって、これが地震を引き起こしているとの見方を示していました。
政府の地震調査委員会は、11日に開かれた定例の会合で、この地震活動について議論し、一連の地震活動は「流体の移動が関与している可能性がある」との見解を、委員会として初めてまとめました。
地下の構造を分析した結果、本来、岩石は電気を通さないにもかかわらず、震源の直下に電気を通しやすい領域があることや、地下深くで起きていた地震が浅い場所に移動していることなど、「流体」が関与しているとみられるデータが複数示されたとしています。ただ、「流体」の種類、性質や量など詳しいことは分かっていないということです。
地震調査委員会の平田直委員長は、「流体」と地震活動の関連について今後も研究を続けていきたいとし、その上で、能登地方の一連の地震活動は、しばらくの間は続くと考えられるため、強い揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけています。