石川・能登の群発地震 地震回数減少も「活動は当分続くため注意」政府の地震調査委員会
今年、5月に震度6強の地震が発生した石川県能登地方では、その後、地震活動がさらに活発となっていました。現在、地震回数は減少しているものの、政府の地震調査委員会は引き続き、大きな揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけています。
石川県能登地方では、2020年12月ごろから群発地震活動が続いています。今年5月5日には、これまでで最大規模となるマグニチュード6.5の地震が発生し、珠洲市で震度6強を観測しましたが、その後、地震活動はさらに活発となっていました。
11日、政府の地震調査委員会は定例の会合を開き、先月1日から10日午前8時までに最大震度1以上を観測した地震は19回発生したものの、時間の経過とともに地震活動は減衰していると報告しました。
ただ、今年5月の震度6強の地震が発生する前の活動状況に戻っただけで、群発地震がおきる前の状況までは戻っていないということです。
一方、国土地理院がおこなった衛星を使った地殻変動の観測では、珠洲市にあるポイントで、震度6強の地震の前は、東方向に動いていたものの、地震後、逆に西方向に動くなどこれまでとは異なる変動がみられるということです。
これらの地震活動と地殻変動の状況から、地震調査委員会は能登地方の活発な地震活動は「当分続くと考えられる」とする評価をまとめました。
地震調査委員会の平田直委員長は、今後も大きな揺れを伴う地震に注意するとともに、震源が沿岸や海域に広がっていることから、仮に、海域で地震がおきた場合、津波が発生するおそれがあるため引き続き備えを続けてほしいと呼びかけています。