サッカーW杯共同開催きっかけに…検察官が“日韓戦” 体張った真剣勝負、20年以上続くワケ
先月、5年ぶりにソウルで行われたのは、検察官によるサッカーの“日韓戦”。20年以上、日韓両国の検察官が真剣勝負を続けているそのワケは――。
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先月、成田空港の国際線出発ロビーには、検察官である、山口検事の姿が。“試合”への意気込みを語りました。
山口検事「緊張してます」「今回、約5年ぶりの開催ということで、試合はもちろん勝つ気持ちでいるので頑張りたい」
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山口検事「窃盗事件の起訴決裁をお願いします。ゴミ箱に捨てられていた被害会社の名前入りの封筒から、被疑者の指紋が検出されています」
上司「この事件、起訴することにしようか」
この日は、容疑者を起訴するか上司の決裁を受けていました。起訴や、裁判で被告の犯罪を立証する検察官。そんな山口検事たちが到着したのは、韓国。向かったのは、ソウル高等検察庁です。
韓国側「歓迎いたします、ようこそ~」
両国検察官の交流が始まったのは、1999年。新型コロナの影響などもあり、5年ぶりの交流となりました。日韓両国の刑事司法に関する意見交換などが行われました。
このような交流は、犯罪者の身柄の引き渡しや捜査協力など、両国の連携を高めるためには欠かせません。
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――そして翌日。彼らの姿があったのは、サッカー場です。
実は、日韓の検察官交流が始まったきっかけは、2002年に行われた日韓共同開催のワールドカップ。これを契機に、サッカーを通じて日韓の検察が親善・友好を推進することが目的でした。
「絶対勝つぞ!」
5年ぶりの“日韓戦”が始まりました。前半、日本チームは積極的に攻めゴールを狙っていきますが、韓国チームに阻まれ続けてしまいます。
0-0で迎えた後半。日本チームの勝利に向け、山口検事もピッチへ。日本チームの体を張ったプレーが続きますが、なかなかゴールネットを揺らすことができません。
試合は後半、立て続けに韓国チームに2点を決められ、0-2で日本チームは敗れてしまいました。
山口検事「もっと展開を変えられたら良かったが、本当に走れなかった」
「普段感じられないような貴重な経験でしたし、サッカーだけじゃなくて学術会というものを通じて、韓国と深く交流できて非常に良かったなと」
日本チームの敗戦に悔しさをにじませたものの、充実した交流となったようです。
日本チーム監督 三村検事「検察という同じ組織であったり、サッカーという同じ目的で、本当にいい交流ができ、分かち合えることがすごく素晴らしい」
20年以上続く“日韓サッカー”を通じた検察官の交流。次回は10回目の節目を日本で迎えます。